クラス

 今日の昼休みは、教室で過ごしてみた。

 きっと青木くんは、屋上にいるんだろうけれど....こんなモヤモヤした気持ちのままでは、きっともっと青木くんに冷たく接してしまうと思ったから。

 私は青木くんから逃げるように、教室に残った。いつもは屋上にいる私が今日は教室ここにいることが珍しいのか、クラスメイト達は『あれー?今日遥くん一緒じゃないの?』なんて声をかけてくる。

 私はその問いかけに曖昧にしか答えられなかった。

 結局私は教室で一緒にお昼ご飯を食べる人を誘えずに、また春のあの日のように一人でお弁当を食べることになってしまった。



 ・・・青木くんに悪いことしちゃったな......。

 一人でお弁当を食べることは、もう慣れている。そう思っていたけれど 、そうでもなかった。ふと、青木くんの顔が浮かんで急に悲しくなる.....。

 涙が、出そうになる。私はそれを必死に堪えて、お弁当の残りをかきこんだ。

 避けたのは自分なのに、勝手に悲しくなって.....。『全部自分がやったことだろ。』なんて青木くんに怖い顔で怒られてしまうかもしれない。


 ✱✱✱

 結局私は昼休みが終わるまで、教室にいた。今日は午前中が体育祭の準備で、午後からは教科の勉強。いつも真ん中にできている人の輪は、今日はなかなかできない。

 いつも必ず予鈴がなるまでには戻って来るはずの人気者は、今日は...本令が鳴っても戻って来なかった。


 クラスメイト達は小さな声で『遥がサボりって珍しいよな。』なんて言っていた。

 授業が始まっても、青木くんは戻って来なかった。いつもと同じ教室の風景なのに、私はずっと寂しさを感じていた。

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