それから

 それからは本当に、青木くんにたくさん助けてもらった。授業の休み時間には必ず声をかけてくれて、青木くんの友達の輪の中に入ってたくさんお話をした。

 自分から、声をかけることもできるようになった。

 今では....一緒にお昼ご飯を屋上で食べることが、当たり前のようにになった。


「どう?調子。」

 その度にこうして、色々な話を聞いてくれる。


「うん、元気!それから.....すっごく楽しい....!」

 思わず笑顔になる。今まで自分から声をかけることもほとんどなかったけれど、今は少しずつでも声をかけることを意識している。


「そっか!よかった!」

 私の話を聞いて、嬉しそうに笑ってくれる青木くん。私がそうなれたのも、きっと青木くんが助けてくれたから。

 だからもし、青木くんが困ったことがあったなら.....今度は私が助けてあげたい。輪の中に入れるようになってからは、ずっとそんなことを考えている。

 青木くんが喜ぶ顔を想像すると、私も嬉しくなるから。

 ✱✱✱

 季節は進んで、夏が近くなった頃。私達は一つ、大きなイベントを控えていた。それは体育祭。私達の学校では毎年一学期中に体育祭がある。なんで一学期にそんなことがあるのかは知らないけれど、毎年夏が近くなると、ほぼ毎日練習や準備で忙しくなる。


「はぁ.....あーつーいー!!」


「声でけぇようるさいな。」


「ひぇっ、怖っ.....。」

 初めて出会った日からかなり時間が経って、最近はこんなやり取りをすることが増えた。

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