お弁当

「昼飯、いつもここで食べてんの?」

 青木くんはいつものように、私に話しかけてくれる。これは最近気づいたことだけど、青木くんはたまに口が悪いというか.....ちょっと喋り方が怖い時がある。私は慣れたけれど。


「うん、」

 私がそう答えると青木くんはやっぱり笑顔で『へぇ~!なんで気づかなかったんだろ、人少ないから過ごしやすそ~!』なんて、目をキラキラさせていた。


「来たこと、ないの......?屋上。」


「ん.....?あぁ.....俺いっつも教室で食べてるからさ。」


「そうなんだ、青木くん人気者だもんね。」

『たくさん友達いるもんね。』なんて言ったら青木くんは少し苦笑いして、『そう?』なんて聞き返してきた。

 青木くんと話していると本当に楽しい。楽しくて、時間を忘れてしまいそうになる。

 だからなのかもしれない。

 楽しくて、面白くて.....【ずっと一緒に居たい。】と思うから、青木くんの周りには自然と人が集まるんだと思う。

 そんな青木くんの話を聞いているとつい、心の声が漏れてしまったようで。


「いいな、輪の中に入れるって.....。」

 私はそんなことを口に出していた。もちろんそれは、青木くんにも聞こえてしまっていて....横を見ると少し驚いた顔をしていた。

 でも、その後すぐに柔らかく笑って...


「じゃあ俺が手伝うよ、輪の中に入れるように。」

 そう言ってくれた。

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