第21話 魔族の街 エルベス

「ここらは通さない!」


3人の剣闘士が俺達の前に立ち塞がる。


「兄貴、どうする?やるか」


「ちょっと待て赤髪。俺が何とかする」


そう言うと先頭にいたアベルを退かせルーベットが3人の前に出た。


「俺様を忘れたのか?ドリアンド」



「お前は、虐殺のルーベットじゃないか!久しいな!」



警戒していた3人の剣闘士は笑顔に変わり、ルーベットはここに来たことを説明した。


「なるほどな…分かった。案内しよう」




___魔族の街・エルベス___



魔族の街に着くと先程まで暗闇で見えなかった街は雲1つ無く、星が大量に見える所だった。さらに街は発展しており、和をテーマにしているような住宅が沢山あり、イグゼル達は驚いていた。



「ここが私達の街、エルベスだ。ゼフィア様はこの街の最奥にいらっしゃるが、まあ、楽しんでくれ。」



「なんだよ…この街は…綺麗すぎる」


「どうしてこの街だけこんなにも雲が無いのです?」



エレナは疑問に思いルーベットに聞く。


「この街がある所は、このロックキュール山脈の頂上にある。そしてあの分厚い雲のおかげでこの街はどの種族にもバレずに発展出来ているわけだ。」



「そんなことより、ゼフィアと言うやつの元に行くぞ。」


俺は全員を呼び、最奥にあるゼフィアの元へ行く。



「それより、ゼフィアさんはどんな人なんですか?」


「まぁ簡単に言ったら…無口でそして…強すぎる」



ルーベットはそう言いながらニヤリと笑う。




俺達はゼフィアがいると言われている城にいた。


「ここがゼフィアのいる城か」


アベルはそう言うと奥から何もかが現れた。


「我になん用だ…旅人よ…」


そこに現れたのは黒髪の20代前半の塩顔男が現れ、その横にさっきの剣闘士が現れた。



「俺だよゼフィア。こいつらは俺らのツレだ。お前に頼み事があるんだ。」


「頼み事とはなんだ…」


「前みたいに修行……」



ルーベットが修行をお願いしようと言おうとした時だった。


「ゼフィアと言ったな。俺の仲間になってくれ」


「へ?」 「は?」 「え?」


3人はイグゼルが予想もしていないことを言ったので、固まり、驚く。



「おい!イグゼル何言ってんだよ。ゼフィアとは修行をお願いしにいくって言ってだろ!」



「俺が見る限る、このゼフィアと言うやつはなかなかの使い手だろ。グーゼンベルクを倒すためにこんな勢力は必要不可欠だろ」



俺がそう言うとゼフィアは笑いだした。



「面白いな貴様。いいだろ仲間になってやるよ。だが、1つ条件がある。」



「条件とは?」


イグゼルがその条件を聞くと、ゼフィアは説明した。


「我とこの3人の剣闘士で決闘をする。そしてその決闘は2対2のダブルス戦とする。俺達のチームは、我とドリアンドとメディシーとカンパツだ。」



ダブルスか…俺達はどうするべきか。強さで行くなら、俺とアベルだろうが…、相性が良いのはエレナだろう…。

だったら…



「俺達は、エレナとアベル。そして…俺とルーベットで行こう。」


「え!兄貴!俺とじゃないんすか!」


(えぇ…アベルさんと一緒か…足を引っ張らないようにしないと…)


「ふんっお前達じゃイグゼルの足を引っ張るからな。」



「では、明日18時にここに集合だ。我々が負けたら、我が仲間になろう。」



その話が終わると俺達はゼフィアの城を後にした。


「というわけだ…お前達、覚悟しと…」


「おいっ!!」


俺が言おうとすると、ルーベットが声を出し、ゼフィアに決闘を挑んだ深刻さを説明した。



「あのゼフィアは、この大陸でも5本の指に入る最強の人物の1人だ。2つ名は黒煙のゼフィア。闇と岩の魔術を使う剣術士、お前と同じだよ、イグゼル。」



「……」



翌日



___18時 ゼフィアの城___



「集まったな…。それでは決闘を始める。」



「言い忘れてたなルーベット。」


「なんだ?」


イグゼルはルーベットの方を見てニヤリと笑いながら言った。


「ゼフィアは5本の指に入る最強の人物だったらしいが…。俺は…」



「三本の指に入る人物だぞ」



「「「はぁぁぁ!?」」」、


そこに居た、アベル、エレナ、ルーベットは声を合わせて言った。



次回「魔族決闘」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る