黒煙の主と3人の剣闘士
第20話 暗闇のロックキュール山脈
バスキュア王国を出てから丸二日、俺達は魔族が住んでいると言われているロックキュール山脈にたどり着いた。
しかし山脈の周りは、分厚い黒い雲が囲っており、昼間のはずなのに、夜中のようにとても薄暗くなっていた。
「ここが、ゼフィアの根城だ。ここから先の山脈は常に夜みたいに暗いから、迷うんじゃねえよ。」
ルーベットは先頭に立ち、誘導していく。
___ロックキュール山脈・入口___
「とても薄暗くて、湿気ていますね…」
「…まあ、道中はそうかもしれないが、あいつの国は…なかなかすごいぜ」
ルーベットは初めてこんなに嬉しそうに他人のことを喋っている。
「ルーベット、先を急ぐぞ。」
「おい!ルーベット!あまり俺より目立つんじゃねぇよ!」
「うるせぇ!」
そんなこんなでロックキュール山脈にイグゼル達は入っていった。
*
30分後
道が暗いせいか、本当に進んでいるのか俺達は分からなくなっていた。
「おい…ルーベット…本当に進んでいるのか…」
「うるせぇ…黙って…ついてこい」
ルーベットとアベルはクタクタになっており、エレナは途中で足が痛くなりイグゼルにおぶられていた。
「すみませぇん…イグゼルさん…」
「気にするな…。てか、こんなこと前にも無かったか…」
そんな話をしているうちに、少し広い場所が見えてきた。
「ここで休憩するかぁ…」
アベルが座り込もうとすると、周りの草むらから音がする。
「なんだ!」
全員は戦闘態勢に入り、周囲を囲むように構えた。
「グルルル…」
そこに現れたのは、数体の顔が二つある犬だった。どうやら俺達を狙っているようだ。
「これは…ケルベロス!?」
エレナは驚いた表情をして言った。
「さすが魔族の山脈だな!」
アベルはそう言うと、一体のケルベロスに飛びつく。
「魔人炎武術!#爆炎拳!!__ばくえんけん__#」
アベルはケルベロスを連続で殴り、1匹を仕留める。
「ふっ。たった一匹しか倒せないのかお前は!」
「なに!」
ルーベットはそう言うと両手を広げ、空間から闇の光線を残りのケルベロスに向けて放つ。
「闇魔術!#死の閃光!__デス・サイト__#」
残りのケルベロスは砕け散る。
「ちっ!今回のとこはお前の勝ちにしてやるよ!」
「ほんとに…男性の方はどうしてあんなに張り合いが好きなんでしょう…」
エレナがイグゼルに質問するが、イグゼルはアベルとルーベットを無視し、先を急ぐ。
「あいつらが、おかしいだけだ。」
「あ!兄貴!置いていくなー!」
「てめぇ!待ちあげれ!」
___ロックキュール山脈・中枢部___
ようやく半分までたどり着いた。再び大きな広場に着くと、そこには三人の人物が立っていた。
「我らは魔族の街の剣闘士!」
「ドリアンド!」
「メディシー」
「カンパツ!」
「侵入者よ!ここから先はこの剣闘士が通さない!」
次回「魔族の街 エルベス」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます