第15話 炎闇vs最強
___バスキュア王国・城内___
「報告致します。バスキュア王国内にて魔王エリゼクトと、その幹部が侵入したようです。現在は他国の旅人と思われる人物数名と交戦中」
「そうかご苦労。我々も旅人の援護をしに行くとしよう。準備しろ」
バスキュア王国皇帝、ウルブス=バスキャア王は、王国の兵士に戦闘準備の合図をかける。
*
___バスキュア王国・東地区___
「「どりゃゃゃあ!」」
アベルとルーベットは魔王の幹部であるビーナスとブルーヌと交戦中であった。
「一人ずつ仕留めていくとしよう。」
「そうね。了解」
ブルーヌとビーナスは息を合わせて呪文を放つ。
「水晶魔術、#恋の白露__パープル・グリザイア__#」
「岩の精霊よ、鋼の肉体を我に宿したまえ」
「岩魔術、#大地の怒り__ストーン・ブラスト__#」
ビーナスの光線とブルーヌの岩の連撃がアベルとルーベットに襲いかかる。
「魔人炎強化術、#動体火力!__どうたいかりょく__#」
「闇遠術、#闇の呪霊__やみのじゅれい__#」
アベルは体の筋肉を燃やし、身体能力を上げて攻撃を避け、ルーベットは闇で作った身代わりで攻撃を防ぐ。
攻撃が終わるとすぐさま、アベルはビーナスの元へ飛び込み、ルーベットは魔術を放つ。
「#被爆天元!__ひばくてんげん__#」
アベルは拳に炎の魔力を溜めて、ビーナスに殴りかかろうとすると、ブルーヌが防ごうと魔術を放とうとした。
「#死の閃光!__デス・サイト__#」
ブルーヌの攻撃を防ごうとルーベット闇の光線を当てる。
「なに…!?」
「いけ!赤髪!」
「どりゃあぁ!」
ドカンッ!
アベルの被爆天元はビーナスの頭部に当たり、爆発する。
「よっしゃ___」
「水晶転生術、#水晶点眼__すいしょうてんがん__#」
なんと攻撃が当たったはずのビーナスは、なぜかアベルの横に突っ立っていた。
「は…!?」
「水晶魔術、#銀河世界__ナイト・ギャラクシー__#!」
ビーナスは水晶を回し中から無数の光の欠片が飛び散ると、ビーナスの合図で全て爆発した。
「赤髪~!てめぇ…!」
アベルはさっきの爆発で意識を失っていた。
「ふふふ…一人目終わり~。」
「闇魔術、#闇の束縛!__ブラック・チェーン__#」
ルーベットは激怒し、闇の束縛でビーナスを縛りつける。
「私を相手してていいの~?」
「!?」
するとルーベットの足元から茶色の魔法陣とともに岩の壁が現れ、ルーベットを捕まえると十字架のように吊るされた。
「岩魔術、#岩石の十字架__がんせきのじゅうじか__#。これでお前は何もできない。」
「くそ…てめぇら…。おい!赤髪早く起き上がれ!」
ルーベットは意識を失っているアベルに対して叫ぶが意識は戻らない。
「お前はもう終わりだ。俺の岩魔術で朽ちろ。」
「岩魔術…ストーン…__」
「#円天…__えんてん__#」
ブルーヌは炎の攻撃に飛ばされる。するとルーベットを吊るしていた十字架が解け、解放される。
「うるせぇな……ルーベット…。俺がこれくらいで倒れると思うなよ…」
「ふんっ。さっきまで意識朦朧になっていたやつがよく言うぜ。」
そう言うとルーベットとアベルは炎と闇の玉を手のひらに作る。
「なぁルーベット、今からすることマネ出来るか?」
「誰に命令してんだよ!お前が出来ることが俺にできないわけが無いだろ!」
ルーベットがそう言うとアベルはニヤリと笑う。アベルは手のひらの炎を大きくしていぅた。
「#玉炎!__ぎょくえん__#どうだ?」
ルーベットはその巨大な玉を見ると笑い、闇の魔力を手のひらの玉に送り、アベルと同じような玉を作った。
「やるじゃねぇか。じゃああとは、これを…」
「あの女に投げるだけだな。」
そう言うと二人はビーナスを鬼のような形相で睨みつけた。
「ちょっと…嘘でしょ…」
「「くらぇ!」」
「「#炎闇の大玉!__えんあんのおおだま__#」」
ドカン!!
東地区のほぼ全体が炎と闇に飲まれた。
___バスキュア王国・中央地区___
「イグゼルさん!しっかりしてください。」
エレナはイグゼルに回復魔術をする。
「諦めてついてくると言えば、貴方もその娘も仲間も死なずに済むのですよ。」
「だ…ま…れ」
イグゼルは今でも死にそうな声で囁く。
回復をしてくれてるエレナに対してイグゼルは微笑みながら言う。
「今だ…今こそ…お前の精霊の力を…」
「は…はい。わかりました。」
そう言うとエレナは手を重ね、空に祈りを捧げた。
「精霊よ…私、エレナ=エンシャルに精霊の加護を宿したまえ」
エレナは願いをすると、背中から輝く翼が生える。
「精霊回復術、#精霊の涙!__ホーリー・ジェル__#」
エレナは死にかけのイグゼルを黄緑のジェルで包み込む。すると、みるみると傷口が治った。
「ほぉ…精霊の力を宿せるのか。面白い!」
エリゼクトはニヤリと笑った。
「助かったエレナ。その精霊の力で俺のサポートをできるか?」
「分かりませんが、やってみます!」
そう言うと回復したイグゼルはエリゼクトの周りを走り出した。
「魔王魔術、#魔線・乱!__ません・らん__#」
エリゼクトは闇のように暗いオーラをイグゼルが走るルートをなぞるように削った。
「精霊魔術!# 精霊の鉄拳__ミョルニル__#」
そうすると、イグゼルにエリゼクトの技が当たる寸前で大きな樹木のハンマーが振り下ろされ、エリゼクトの魔力がゼロになった。
「今です!イグゼルさん!」
「炎武術!#陽炎!__かげろう__#」
イグゼルは炎を纏い、一瞬にしてエリゼクトの元へ移動した。
(これなら、魔王にも勝てるぞ!)
次回 「錬金ブルーヌ」|
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます