第14話 魔王エリゼクト

___バスキュア王国・中央地区___


「こんな武器があるのか…」


「どうです?1つお買いなりますか?」


イグゼルは珍しい武器なのが置いてある、武具商店に来ていた。


「そうだな…」


ドカンっ


東の方から爆発音が鳴り響く。それを聞いた周りの人は恐怖で逃げ出した。


「なんの騒ぎだ…」


(東側……アベルがいる場所からか。)


「!?」


西側からとてつもないオーラを感じ、警戒する。


「そんなに警戒するな…。お前がイグゼル=ヴァルトベルクか。」


「そうだが…なぜ俺の名前を。」


イグゼルは剣を抜く構えをしつつ、聞く。


「我が名は#魔王エリゼクト__・__#。お前の父、魔王グーゼンベルクからお前を捕獲しろとの命令があった。」


(魔王!?、とてつもないオーラだ。)


魔王エリゼクトは次第に現れた。それは見た目は人間族のように、金髪の鋭い目と高い鼻そして、ヴァンパイアのように鋭い目八重歯だった。


イグゼルは魔王の姿を見ると、すぐさま剣を抜き技を使う。


「炎剣術、#蓮炎__れんえん__#」


魔王エリゼクトの前に一瞬で飛び横断するが、空気のように姿を消した。


「ふふっいきなり切りかかるとは、君も戦闘好きで父親そっくりだ。」


「黙れ、あの野郎と一緒にするんじゃねぇ!」


イグゼルは激怒し、さらに技を連発する。しかしエリゼクトはひらりとかわす。


「はぁはぁ…くそ」


「次は私の番ですね。ふふ」


エリゼクトは手を伸ばすと赤い魔法陣と共に呪文を解く。


「魔王武術、#桜の舞__さくらのまい__#」


赤い魔法陣からは桜のような鋭い花がイグゼル目掛けて飛んできた。


ドがドカドカッ


イグゼルは必死に逃げるが、技は先を読んで飛んでくる。


桜の花はイグゼルの足に刺さり爆発した。


「ゲホッ」


一撃だけしか喰らわなかったにも関わらず、イグゼルは吐血するほど疲弊した。


「あまり、危害を加えたくないので、抵抗しないでください。」


エリゼクトは徐々に近づいて来るのを見て、イグゼルは、来るなと言わんばかりの表情をする。


「怖いなぁ…そんな睨ま…」


エリゼクトが離そうとすると、空から黒い玉が降ってきた。


ドカン


「なにやってんだイクゼル。早く立ち上がれ。」


弱っているイグゼルの前にルーベットとエレナが助けにきた。


「大丈夫ですか!今すぐ回復します。」


「おやおや、虐殺のルーベットとエンシャル王国の王妃とは、素晴らしいメンツだね」


屋根の上に飛んだエリゼクトは微笑みながら、ルーベットを見た。


「ほぉ、ルーベット君は人間族の癖に悪魔の力が宿っているねぇ。」


「黙れ!早くかかってこいよ、ナルシスト」


「ふふっそんなに慌てるんじゃないよ。君と戦っても私が一発で仕留めてしまうだろ?」


エリゼクトはルーベットを煽る。


「なんだとこの野郎!ぶち殺してやる!」


「まぁまぁ、私と戦う前にまずはこいつを倒してから来てください。」


そう言うとエリゼクトは指を鳴らす。すると奥から例の鎧男が現れた。


「お前はさっきの鎧男!」


「こいつは私の幹部、#ブルーヌ__・__#です。なかなかの相手ですからせいぜい頑張ってくださいね。」


そういうとエリゼクトは術を使い、ルーベットとブルーヌを違う場所へ移動させた。




___バスキュア王国・東地区___


「はぁはぁ…なんだよあいつ…」


一方アベルはビーナスと交戦中だったが、遠距離攻撃を得意とするビーナスに対して苦戦していた。


「一向に貴方の攻撃が当たりませんねー」


「うるせぇな。いまから見せてやるよ!」


アベルはそう言うと拳に炎を集め、ビーナスに向けて拳を振る。


「魔人炎遠術、#空炎拳!__くうえんけん__#」


振った拳は弾丸のように飛びビーナスの元へ行く。


「水晶魔術、#恋の白露__パープル・グリザイア__# 」


空炎拳はビーナスの攻撃によって相殺した。


「私の水晶は未来を読み適切な技を放つことが出来る。貴方には勝ち目は無いわよ。」


ドカンッ!


中央から爆発音が聞こえるとビーナスは不敵な笑みをした。


「ふふっ。どうやらエリゼクト様もアドラメルクと出会ったぽいね。」


「兄貴……」


「さて…それじゃあ再開しま…」


ビーナスがそう言おうとすると空から声が聞こえる。


「おいー!赤髪どけっ!」


アベルは上を見上げるとルーベットと鎧男が落ちてくるのが見えた。


ドカンッ


ルーベットはアベルを下敷きに無傷だった。


「痛た……てめぇ!なにしやがる!」


「うるせぇなあ…こっちは魔王の幹部を倒さないといけないんだよ!」


「俺もだよ!一緒にするな!」


アベルとルーベットが口喧嘩をしているさなか、幹部二人は会話をしていた。


「あら、ブルーヌじゃないですか。貴方も交戦を?」


「ああ…今からだ。」


「では、どちらが早く仕留めれるか勝負ですわね。」


そう言うと二人は魔王にも匹敵するほど、とてつもないオーラを放ち、アベルとルーベルトは警戒した。


「こりゃやべえな。ルーベット、手を貸せ!」


「俺に指図するな赤髪、でもこのままじゃ殺られるのが目に見える。仕方ねぇか。足引っ張っるんじゃねえぞ」


「お前こそな。」



「「いくぞぉぉ!!!」」



次回 「炎闇vs最強」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る