第14話 セイレン

アシアは、無人戦闘機アーレンを飛行型で、m4k方面に急行していた。

先に着くはずの駐在員からの一報はなく、アシアは、内心、盗賊なら、火力に劣り、駐在員の警戒機に発見されるや、逃走しているはずだが、ベテラン駐在員マハの一報が入らないことに、不穏な空気を感じていた。


アシアは、約20分でm4k宙域に入ると、サクラ分隊長に「m4k宙域に入った。駐在員の一報を送れ」と無線を送る。


「駐在員からの到着の一報未だなし。マハ機の熱源反応は、セイレン付近にあり、周囲には、数十の熱源反応が確認される。至急、セイレンに向かえ」


「了解。数十であれば、盗賊とは考えにくい。至急、警察機等増援願う」


セイレンはマハの駐在星であり、m4kの中心星だ。連合および民間企業の鉱物の物流拠点が置かれ、軍の無人戦闘機のほか、警察機関の警戒機が5機配備されている。

しかし、警察機は、攻撃が主目的でなく、軍のアーレンの火力には、到底かなわない。アーレンの火力の前では、花火程度のものだ。応援がないよりマシなはずだ。



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