第13話 警報

ビー、ビー、ビー

警戒音がけたましく鳴る。


アシアは、警戒音に身を震わせ、シートに座り直した。


「第七星海本部から、第三小隊長」

「第三小隊長です、どうぞ」


アシアは、指令室のサクラ准尉補の無線に応じる。


「m4k方面に、熱源反応あり。現在、m4k駐在員による警戒機を向かわせているが、第三小隊機もm4k方面に

向かわせよ」


サクラのハスキーボイスの指令は独特の抑揚があり味がある。それはサクラが第三星海出身であり単なる第三星海なまりなのかも知れない。


アシアは「第三小隊長、了解」と短く応答すると、モニターのm4k方面の位置を素早く確認する。


確かに、熱源反応がある。

2か3か、いや、或いはもっとあるかも知れない。


アシアは、自動警戒モード中であった警戒機を直接警戒モードに切り替え、短く刈り込んだ翡翠色の短髪の上に頭全体を覆う警戒機ゴーグルを着装した。



警戒機ゴーグルを着装することで、無人の警戒機に搭乗したと同じ感覚で、警戒機を操縦することができる。


アシアの警戒機は、m4d方面を警戒中であったが、急げば、約30分で、m4k方面に到着できるだろう。


m4kの駐在は、確か、マハだったはずだ。マハは小隊でも古株で、盗賊くらいなら、追い払えるだろう。


アシアは、操縦桿を握り、m4k

方面に急いだ。


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