I章(運命の転換点—前編)_part_A

 ==【⑥番席…⑥番席……?!】==


「お嬢ちゃん、さっき注文したものはまだ?」


 突然、前の席に座っていたお客さんが尋ねられました。


「?!はい!えーと~すみません、まだ準備中です!はい、お客様。お待たせしました~ご注文の肉まんです!」


「えっ?!あの……これは注文していませんよ」


 その驚きの表情と反応を見て、私はもう一度トレイの注文用紙を確認しました...


「あ、あれ……?!そうなんだ。ここに書かれている数字は⑥ではなく、⑨だったのか……えへへ~すみません、間違えちゃった_且(^◇^;)>」


 そして同じタイミングで、隣のお客さんが、うちの店の定番を追加注文してくれました……


「なあ、餃子姉ちゃん。この『満貫餃子』なんか、もう一つください~」


【説明:『満貫餃子』とは、羽根付き餃子3つ、揚げ餃子3つ、棒餃子3つ、水餃子3つ、そして蒸し野菜餃子2つの、計14枚の餃子が一皿に盛り合わせられたセットで、麻雀の満貫を象徴するという意味があります】


「はい~かしこまりました!^^」


 料理を客の前に置くと、私はすぐに注文を取りにカウンターに戻りました。


「すみません~八番席には『満貫餃子』を追加でお願いします~」


 こちらのリクエストを聞くと同時に、コックが出来立ての料理をカウンターに運んできました。


「了解!じゃ~これも頼むぞ!」

「はい~!」


 まさか註文したばかりなのに、他の客が注文していた料理が目の前に現れました!そして料理を持って歩いていると、カウンターで働いていたお母さんの文句が聞こえてきました...


「はい、お釣りです。ありがとうございました!……はぁ~休日をうまく選ぶわね、あいつら……」


「あはは~だよね…こんな忙しい時間に彼らの協力がなくなると、本当に息が切れてしまいそうだ…T^T」


「まったく…いきなり『用事』があるなんて、きっとデートとか、どこかに遊びに行ったんでしょう!明日になったら、やつらが休みの理由をちゃんと聞かせてもらうわ…?!」


 ♪~♪~♪


 …話している最中に、謎の電話がかかってきました。


「もしもし、【郷気食溢(ごうきしょくいつ)】料理亭です!はい、そうそうそう、はい、はい。(,,・∀・)ノ」


「…あっ、いけない!早く料理を届けないと……」

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