第4話

入学して2ヶ月くらい経った、ある日の授業。

「今日は、みなさんに浮遊術をお教えしましょう!使うのは、羽ペンと杖ですね。みんなありますか?」

新品の羽ペンと教科書がありまーす!!

浮遊術楽しそう!!実は、めちゃめちゃ楽しみだった!

「では、まず基本の呪文から。杖を回して"シュープリョイ!"と唱えてみましょう!さあ、みなさんもやってみてください!」

シュープリョイ!わあ、ワクワクする!!

「おぉ!みなさんお上手です!いよいよ、浮遊の呪文です。まずは、杖なしで呪文だけ唱えてみましょう。"ヒンメール・レヴィルーサ!"ご一緒に!」

ヒンメール・レヴィルーサ!

「では、羽に向かって杖を振ってみましょう!こんなふうに。ヒンメール・レヴィルーサ!」

わっ。羽ペン浮いた…!すごーーーい!!

「ヒンメール・レヴィルサー!」

あれ?アラスの発音違う…(笑)

「ヒンメール・レヴィールサ!」

待って。ロルアも違う(笑)

いや、発音もだけど、杖振りすぎじゃない?

「ストップ!止まって。そんなに杖振り回したら危ないわ。それに発音も違う。レヴィルーサよ。レヴィールサじゃないわ。」

ってロゼッタが止めに入った。

「そんなに言うなら君がやって見せてよ。ほら。」

ロルアが負けず嫌いなのは知ってるけど、今の言い方は、完全にケンカ売ってるわ。

ロゼッタも負けず嫌いだから、それに乗っちゃって…。

「いいわよ。ヒンメール・レヴィルーサ!」

おぉ、成功だ!!

よーし、私もやってみよ。

『ヒンメール・レヴィルーサ!』

やった、浮いた!!

「すごいよ、ルーナ!」

って隣のアラスが褒めてくれた。

一方、ロゼッタが成功して気に入らない様子のロルア。

もしかして、この2人相性悪い??

「素晴らしい!みなさん見ましたか?ミス・グレジャーとミス・シャロームがやりました!お見事!!」

授業で褒められるの初めて…。

なんか、恥ずかしいわ。


授業終了後。

「ロゼッタ!ルーナ!すごかったね!」

って駆けよって来てくれたミルキィ。

『ありがとう。ロゼッタのを見たから、私もできたのよ。』

ロゼッタは、入学した時からよく本を読んでる。

最近一緒に読むようになったの。

意外と楽しくて、止まらないの!!

「ミルキィも、発音さえしっかり出来ていれば出来るわ。」

と言ったロゼッタ。

「レヴィルーサ。あなたは、レヴィールサだってさ。嫌な奴。ちょっと勉強出来るからって自慢げにさ!だから、友達出来ないんだよ。ルーナだってそうさ!何も言わなかったけど、見せつけられた気分だよ。」

「ロルア、言いすぎだよ。」

アラスが止めてもロルアの愚痴は止まらない。

あれ?こんなの慣れっ子なのに…。

どうして…。どうして、出てくるの。

やっぱり、信じてはいけなかったんだ。

ホントは、そうなふうに思われてるのね。バカみたい。

「ロゼッタ!ルーナ!待って!」

って止めるミルキィの声。

気づいたら、私とロゼッタは走ってた。

ごめんね、今だけその可愛い声聞こえないふりさせて。

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