第84話 詳細説明 この世界の迷宮 2
俺は知らなかった
「つまりダンジョンとは感情力が集まって産まれた魂が、入り込んだ
核(コア)となった後、力の回復及び成長の為に作成した空間という事か?」
「そういうことです。
先程も少し触れましたが、ダンジョンはコアが成長する為に
いろいろと効率が良いのです。
何しろ作成した後開放しておけば、向こう側から来てくれますのでね。
貴重な『養分』となる生物の方から、ね」
養分って…
さっちん、おまえは某賭博録マンガに出てくるナンバー2か?(笑)
まあそれは置いといて、
「さっちん、その養分となる生物ってのは…」
「ええ、ご想像通り1番多いのはもちろん『人族』ですよ」
やっぱりか!
「人族は好奇心が強いので、迷宮を見つけたら探索せずにいられませんのでね。
悪く言えば『欲望の
確かに否定出来んな(w
危険だと判っていても、お宝やレアアイテムって欲しいもんな。
ただ人族が『養分』とか言われると、なんかモヤモヤするし抵抗あるなぁ…
「そこは慣れるか割り切って頂くしかありませんね。事実なのですから。
例えば人族が迷宮で命を落とした場合ですと、
→『感情力』はコアの成長に、
→『血肉』『魔力』は魔物召喚に、
→その他はダンジョン構成素材に
といった感じで利用されます。
倒さた後に素材となるのは、魔物だけではないという事ですよ」
…まあそうだよな
ここはそういう『
でもなぁ…
俺は思うことがあり、ちらりと隣に居るミルを見た。
「? どうかしたのですか?」
俺の視線に気づいて、ミルが聞いてくる。
「あ、いや…
冒険者や探索者が迷宮で命を落とすのは当たり前なんだろうけど、
それがミルのような超美女やさっちんみたいな美少女だったなら、
凄く勿体ないなぁって思ってさ」
そう、早い話やっぱ俺は美女が亡くなるのが嫌なんだ。勿体ないじゃんか!
前世の同志達も、絶対全員同意するハズだぜ。
「そ、そそそんな、ち、超美女だなんて…」
「超美少女だなんて…まあ合っていますけど♪」
くうぅ!照れるミルが可愛い!!
あとさっちんよ、お前には『超』って付けてないからな?
しかも自分で肯定すんな!
「ミル、いまのは俺の本心だぜ?
俺がコアだったらミルは絶対殺させないな。
なんとか捕まえて、俺のメイドにするね」
当然エッチありのな(w
あ、でもコアってエッチ出来ないのか?
ミルは俺の台詞に、顔を赤らめてモジモジしている。ウブだなぁ…
その純情と美貌と爆乳を、迷宮の養分なんぞにしてたまるかってんだ!
[最後の『爆乳』に1番気持ちがこもってましたね♪]
すかさず念話ツッコミしてくるさっちん。
うっさいわ!(そのとおりだけどさ)
「ミルさん、落ち着いてください。
それにシュウイチさん、冒険者が頻繁に命を落とすワケではありません。
何故ならコアの1番の目的は『感情力』なのですからね。
それにまだまだなんです!
まだコアにとっての試練が続くのですよ!」
さっちんがまた暴走気味に熱弁を始めた。
俺も興味があったから、しっかりと聞くことにした。
※ ※ ※
⭐さっちんのコア話 その『一』
→迷宮を作成した場所
これで失敗するコアも多いそうだ。
人族が住む場所から遠すぎても駄目だし、近すぎても駄目らしい。
「ある程度成長出来たコアならともかく、成長してないコアの迷宮に引っ切り
なしに冒険者が来られると、罠の設置や魔物召喚が追いつかないのです」
との事。
その結果あっさり最下層まで到達され、コアが倒されてしまうそうだ。
それはちょっと悲しいかも?
⭐さっちんのコア話 その『二』
→ダンジョン(つまりコア同士)が近すぎても駄目
「周囲の鉱山資源やら土木資源・魂元素なども、当然迷宮には必要です」
結果奪い合いやつぶし合いが発生し、大抵は双方が滅びてしまうそうだ。
協力するってのは無理なんかね?
⭐さっちんのコア話 その『三』
→迷宮の広さと魔物の強さ
「小さすぎるとあっさり最下層までたどり着かれてしまいます。かと言って余りに
広すぎたり魔物が強すぎると、今度は誰も来なくなります」
との事。
更に魔物が強すぎて死傷者が多いと、神族が介入してくるケースもあるそうだ。
バランスは大事ってことですな。何事も。
⭐さっちんのコア話 その『四』
→大成するコアは、複数の感情力を自分の力に換えれるようになる
「『苦しんだ』末に達成した目標には、凄く強い『喜び』を感じますよね?
頭の良いコアはそういう迷宮で発生する他の感情力も自分の力に換えられる
よう、自身を変化させるのです。
元となった感情力と相反する感情力であったとしてもね」
…それって要は頭が良く心が広いコアほど、成功者になるって事か?
人族の英雄と同じだなぁ。
⭐さっちんのコア話 その『五』
→体を作り体を換える
「そうして成長し力を蓄え知識を身につけ強くなり、
そうすればおのずと望む体を作成出来て、自らを転身できますからね。
こうしてようやく、コアの目的が達成されるのです」
長い説明を終えて、満足げなさっちん。
ぱちぱちと手を叩くミル。
「なあさっちん、今の話を聞いた限りだと、コアにとって迷宮作成がそこまで
良いものには思えなかったんだが?滅びる確率の方が高くないか?」
俺は率直に感想を述べた。
「迷宮は『効率が良い』だけで『安全』ではありませんからね。
ですが迷宮核となって成功すれば百年程で体作成&転身まで可能なんです。
地中に居て力を吸い続けているだけでは、数万年かけても無理ですよ?」
そうなのか?
う~ん、なら確かに俺としても、数万年も器の状態なんてのは嫌だから、迷宮作成するかもだなぁ。
「一応、これで迷宮の大まかな説明は終わりです。
シュウイチさん、理解して頂けましたか?
私が迷宮とはこの世界にとって癌のようなものと言った理由を」
ああ、そりゃな
「勝手にこの世界に侵入し、本来そこには無かったはずの空間を
作成して広げているんだ。
このテラクラムからしたら、癌と言われても否定出来ないだろうよ。
ま、良性か悪性かは判らんけどな」
両手を広げて返答する俺。
「良性でも悪性でも構わないのです。
このテラクラムに刺激やら改革やらを与えてくれるのであればね。
まあ、さすがにチートすぎるのは問題あると思わなくもないですが・・・・」
うん?なんでさっちんそこで俺を見る?
「ですが、何事にも例外はあります。
それこそが『
これだけは絶対に、見過ごしてはならない力なのです!」
畏怖を感じているのか、ちょっと怯えたように話すさっちん。
「?狂腐?
さっちん、字が間違ってないか?」
「違っていません。これで合っています。
これこそ、ロード・ブレーゲルが異常になった原因であり、
シグリーシャ様が最も警戒している力なのです」
さっちんのその説明に、隣のミルの顔つきが真剣なモノに変わったのだった。
**********
=作者あとがき=
作者の獰猛死神です。読んで頂いてありがとうございます。
長らく更新出来なくて、本当に申し訳ありません。
理由は、資金的にどん底まで落ちて余裕が無かったからです。
(まあ俺の自業自得なんですが…)
パソコンがぶっ壊れたのがきっかけで、手持ち資金増やして新PC買おうと
あるギャンブルで無謀をした結果、毎月の必要支払費まで
使いこんでしまいました。
更に『トドメ』となったのが、翌月給料でまた増やそうとしてボロ負けして、
その上スマホが壊れて買い替えるハメになったことです。
自分はしがない派遣社員なので、仕事上どうしてもスマホが必要です。
結果、派遣仕事も受けれない状態となり、完全に詰まりました。
情けなくも身内に頭下げて金を借り、なんとか各支払いと返済をしながらここ数ヶ月、カツカツの生活をしてました。
なので小説を書く余裕が、時間的にも精神的にも無かったのです。
最近ようやく落ち着いてきたので、これからまた再開していきます。
ただスマホ作業なのでかなり遅いです。どうかご容赦下さい。
いやー、カップ麺とおにぎり1個の日々はマジつらかった(涙
作者はチキン野郎ですので、誹謗の類はご遠慮下さい。
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