第71話 こんな所に美女が居た! 1

 俺は振り上げた拳を下ろして言った。


「判ったから、もう泣くな。そして落ち着け。

 逃げたり逆らうようなマネをしなければ、これ以上は何もしない」


 そう伝えて、ようやく少し落ち着いてくれた美人メイドさん。


 それにしても、こんな金髪美人メイドなんて居たっけか?

シュワンの記憶に無いぞ?


 それにこれほどの美女だったら、リオナさんとレオナさん同様に父や兄達や周りから注目されていてもおかしくないハズだし・・・・


 しかもさっちんが訓練で出したノーライフキング(の人間だった時の姿)にそっくりだったので、ついその事を口に出したらそれは「お姉ちゃん」だと言う。


 姉妹にノーライフキングが居るって、いったいどんな家族だよ?


 ええい、判らない事だらけだ。

急いでいる時にまったく!


「ちょっと場所を変えるぞ。

 ついて来て貰うからな?ネットルーム!」


 俺はネットルームの扉を出現させて、彼女を連れて入っていった。


 

 ちなみに、お姫様抱っこをしてな♪



 ***



「え・・・・なにここ?」


 まあ当然、今まで見た事無い風景なんだろうな。

ネットルームの風除室に連れて行ったら、金髪美女メイドはびっくりして周囲をきょろきょろと見ていた。



 彼女が周囲を珍しそうに見ている間・・・・


 


 俺は彼女のを見ていた。

(お姫様抱っこはこの為だ!)



 うん、デカい!

服の上からでもはっきりわかる。

その大きさたるや、ツミノキの胸が子供に感じてしまう程だ。


 この胸はそう・・・・ミサイルが撃てる胸だ!!

(意味が判らないやつはもう1回ロボットアニメを見直すのだ!)


 きっと上着をめくったら次の瞬間、さぞ見ごたえある大迫力の2つのミサイルが飛び出すんだろうな!

『♪(腕ならぬ)胸が○び出す ババンバン』 なんてな(w


[古いですね。さすがアラフ○○スケベ野郎ですね♪]


 ・・・・


 さっちん!

さっきまでは絵でツッコミ入れていたクセに急に言葉でツッコむようになるなよな!!

あと、今の俺は若いんだ!フィフティーンだっつうの!


 おっと、金髪美女が俺を警戒して見ているな。

これ以上こうしているのは俺の印象が下がりそうだし時間的にもまずいな。


 とにかく『なぜ魅了してきたのか?』とか、話を聞かないと。


「降ろすぞ。あと縛りも解いてやる。

 その代わりさっきも言ったが逃げようとするなよ?」


「わ、判りました」


 俺はゆっくり彼女を床に降ろした。

そして、念縛鎖も外してやった。


「まず、ここは俺の能力の中だ。

 ここだと邪魔は入らないし現実世界の時間経過も短くて済むからな」


「の、能力の中ですか?

 シュワン様は特別な何かを持っていらしたのですか?」


「ああ。

 俺は一度死んで女神に復活させて貰った際に、色々とその女神から

 貰ったんだよ」


「い、一度死んだってどういう意味ですか?

 それに、女神様から貰ったとは?

 こんな特別空間を作る能力があるなんて、今まで聞いたことがありません」


「そうなのか?

 でもこの能力は本当に俺の相棒たる女神から貰ったものだ」


 その時だった。

入口の自動ドアが開いて、さっちんがこちらに向かって歩いてきた。


「そう、あんな顔をした最高の女神にな」

と、俺はちょうどのタイミングで来たさっちんを指差して言った。



 すると・・・・



「シ・・・・シシシシ シグリーシャ様ぁ?!!!」



 さっちんを見た金髪メイドは驚いたあと、後方へ宙返りをした。


 そして俺は、のがさずにその瞬間をバッチリ見た!




 後方宙返りした時の、彼女の下半身を!(←アホ)




 茶色のブーツに艶やかな白肌の素足、そしてメイドスカートが重力で一瞬だけ下がり、太ももまでばっちり見えた!


 うん、美女の生足っていいなぁ

これがDVD再生だったら、間違いなく太ももが見えた場所で一時停止にしていただろうな!


[相変わらずのエロ馬鹿っぶりですね。byさっちん]


 ・・・・


 すぐ近くにいるのに、わざわざ頭の中にツッコミ入れてくるなよ、さっちん・・・・


 

 また金髪メイドは後方宙返りをした後に、見事な土下座ならぬ土下平伏せとでも言うのだろうか?

両手を伸ばした感じで地面につけていた。


 そして、謝罪してきた。


「ま、まさか現在は管理神様が降臨されるほどに、あの家は酷くなっているのですか?

 ですが私は何も関わってもおりませんし、悪い事は何もしておりません。

 身内を止められなかった事に関しては、申し訳なく思っておりますが・・・・

 なのでどうか、どうかお許し下さい~!!!」


 そういうと、また再びえぐえぐ泣きじゃくる金髪美女。


 彼女はさっちんの顔を見て『シグリーシャ』と発言している事から、本当にシグリーシャの事を知っているようだ。



 しかし・・・・



 ええい!いったい何の事を言っているのかさっぱり判らんぞ!?

彼女は何を謝罪しているんだ?


 チラリとさっちんを見ると、『まかせます』みたいな感じの呆れ顔で、

俺に手でどうぞと促している。


 仕方なく、俺が泣きじゃくる金髪メイドに話しかけた。

「いいから落ち着け!

 彼女はシグリーシャじゃない、『さっちん』だ。

 そしておまえは、さっきからいったい何を謝罪しているんだ?」


「え?

 あ、あの、その、私の家族の事でお怒りになられて、

 それで私もついに滅ぼされる時が来たのではないのですか?」


「まったく違うわっ!

 もう混乱するから、まずは俺の質問にちゃんと答えろ!

 さっきの結界といい魔眼といい、おまえは魔族なのか?」


「い、いいえ違います!

 確かに私のこの身は魔力をたくさん宿しており、

 また少々人離れをした力をいくつか有してはおりますが、

 です!」

 

「一応まだ?

 じゃあ、いつかは魔族になるというのか?」


「あ、あのその、『血』を吸い続けていれば、たぶん・・・・」


「血を吸うだと?

 じゃあ、おまえの正体は・・・・」


「あの・・・・その・・・・

 私は・・・・半吸血鬼人ヴァンパイアハーフなんです・・・・」



 


 ・・・・



 ・・・・



 異世界転生モノで、定番とも呼べる存在がある。


 それが、美女(もしくは美少女)ヴァンパイアだ。

多くの転生モノに出現して、ヒロインの座を射止めるキャラも多い。




 俺の転生にも・・・・・



 

 そんな定番な・・・・


 


 

 俺の転生にも、そんな定番の(ハーフだが)美女ヴァンパイアが来たぁ!!!





**********

=作者あとがき=


作者の獰猛死神です。読んで頂いてありがとうございます。


やっぱり転生モノで美女のエルフとヴァンパイアは欠かせない

存在ですよね!



作者はチキン野郎ですので、誹謗の類はご遠慮下さい。

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