第53話 LV9の神法

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 名前:シュワン・フォン・ジャスティス(諌山修一)

 年齢:15  性別:男  

 称号:シグリーシャの使徒

 神法レベル :9(MAX)

 神法  A=エリアの略 EX=エクストラの略 【】=修得済

    ~

 LV9:【ゴッドエンブレム】

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 なんだかんだあった修行だったけど、ようやく終えて神法レベルがMAXであるレベル9になった。


 レベル9の神法はたったひとつだけ。

それが「ゴッドエンブレム」だ。


 ゴッドエンブレム・・・・訳すと「神紋章」だよな?


 俺は前世でけっこうな数のゲームをやったりRPG関連の本もたくさん読んだつもりだけど、こんな名のついた魔法や呪文には覚えがなかった。


 しかも、何もしてないのに既に修得している事になっている?

更に言うなら、いつの間にか右手甲に金色の紋章がついていた。

ルーンのような文字で書かれた紋章だった。


 これがゴットエンブレムなんだろうけど、どんな神法なのかは当然不明。

でもまあ、俺にはこんな時に役立つこの人がいる!

そう、俺の新人生アドバイザーたるさっちんだ。


「・・・・なんか不本意な役として紹介をされた感じがしますが、まあいいです。

 これは修一さんの持っているゲーム知識で説明するとなると・・・・

 『奇跡』と『令呪』が合わさったような神法になります」


 そう説明を受けた俺は、自分の記憶を辿り始めた。

えーとたしか、奇跡(ミラクル)って神格を迎え入れる魔法とかじゃなかったっけ?

そして令呪って、呼び出した英霊に3回だけ命令を強引に従えさせるシンボルだったよな?


 ということは、それらを総合して考えると・・・・


 シグリーシャを呼び出して、従えることが出来る神法?


 ・・・・


 ・・・・



 マジで!?本当にいいの?


 呼び出して、あの美貌と爆乳とお尻と太ももを・・・・

じっくり観賞したり、ちょっとだけHな事をしてもOKってことなのか?!


 ピカッ!!


「あんびぃががぁつ!!」


 俺はワケの判らない悲鳴をあげて倒れた。

俺に雷が落ちたからだ。


「・・・・シグリーシャ様が、そんなコール〇ールのような事をする為に、

 わざわざ降臨するわけ無いじゃないですか・・・・」

雷に打たれて倒れたというのに、助けようともせずため息をついて見ているだけのさっちん。


 まあそんな事あるわけないと、俺も判っていたけどね。

いつもの俺らしく、ちょっと妄想をしただけだ。


 その証拠にシグリーシャが放ったであろう雷も、少し驚かせる程度の威力だった。

やけどとかはしていないし、単に相棒としてしてきただけだろう。

「そんなわけないでしょう!」的な、ね。


「本当に修一さんとシグリーシャ様は、息のあったお笑いコンビみたいですね・・・・」

と、呆れ口調のさっちん。

まあ、大事な相棒だからな。


「冗談はこのくらいにして・・・・」

俺はよっと立ち上がって、体をはたきながら言った。

「想像するに、この世界の神魔ですら敵わないシグリーシャの力を条件付きで

 俺が使用できる『証』みたいなもの・・・・ってところか?」


 さっちんがぽかんと口をあけている。

うん、その顔かわいい。


「その通りですが・・・・

 どうして判ったのですか?」


「そりゃあ、『奇跡』と『令呪』と聞いてなんとなくな。

 それで、これは生涯で3回まで使えるのか?

 よっぽど酷い願いでない限りは、叶う神法なのか?」


「ええと・・・・願いについてはあくまで

 『修一さんが望んでシグリーシャ様が認めた願いだけ』

 となっています。

  違う点は『生涯で3回までしか使えない』ではなく、

 『3ヶ月で1回、最大3回までストックできる』点ですね。

 ちなみに、紋章が金色だと3回、銀色だと2回、銅色だと1回という設定です」


 俺の右手甲の紋章は金色・・・・3回使えるってことか。 

つまり俺は今、この世界最強の管理神の力を3回も使用できるって事だ。

管理神の許可さえ降りれば・・・・だけどね。

 

 これって、本当に凄いことなんじゃないだろうか?

そして、ますます俺はチートな存在になったんじゃ・・・・


 そう考えたとき、俺はふと思った事があったので聞いた。






「なあさっちん、この神法ってもしかして・・・・」










なんじゃないか?」





 俺がそう問うと、またまたぽかんと口をあけるさっちん。

うん、その顔ホントかわいいぞ!


 そして同時にさっちんのその顔から、俺の直感が正しかったことが判った。


 本当に、あの相棒は心配性なんだなぁ・・・・

まあ、前世の俺の情けない姿を知っているからなんだろうけどね。

 


 ホント優しすぎだ・・・・ シグリーシャ・・・・



 俺は空を見上げると、丁重に頭を下げた。

「ありがとう、見ているであろうシグリーシャ!

 俺は異世界転生モノのアニメを多く見たし小説とかも読んだけど、

 最初からここまで色々と手を回してレクチャーしてくれたり、

 たくさん特典を与えてくれた話をそうは知らない」


 ネットルームのスキルは、ネットルームだけじゃなくいろんな部屋が追加できる異次元万能ビルだった。


 危険察知のスキルは、俺に色々と教えてくれるし話し相手にもなってくれる、万能美少女になっていた。


 俺の為に作成された神法は、最強管理神の力を認められれば使える最強神法だった。

 

 これらは全部、俺の為にシグリーシャが用意してくれたものだ。

もう十分チートだ。いや、十二分すぎるだろう。


「本当にありがとう。けどな、もう十分だ。

 既にチートな存在になっていると思うし、あとはもう不要だ」


 俺は、右手のゴッドエンブレムを掲げた。


「我が相棒たる管理の女神よ。

 ゴッドエンブレムを1回使用して汝に願う。

 後はどうかゆっくりと、俺の生き様を見ていてほしい!」


 すると・・・・

エンブレムが金から銀に変わって、頭に優しい声が響いた。


[汝の願い、受理しました。

 ・・・・頑張ってくださいね。修一さん♪]


 


 ああ。もちろんだ! 

見ていてくれよな。俺の相棒!


 


 


**********

=作者あとがき=


作者の獰猛死神です。読んで頂いてありがとうございます。


さて、次からはシュワンの過去編を少しやってから

ようやく家族との対面、対決になります。


書いているとけっこう残酷かも?と思われる話になりました。

ここらで賛否がくっきりと出そうで怖いです。


作者はチキン野郎ですので、誹謗の類はご遠慮下さい。

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