第36話 ネットルーム内は・・・・ 1
気を取り直した後、どの部屋にするか考えて・・・・
正直、ちょっとだけ迷った。
ラブホテル風は論外だとしても、俺の部屋風かペアシートかで。
で、迷った結果、3のネットカフェ風ペアシートタイプにした。
理由は、何か俺の生前の部屋を選択するとあの女神の文章の「自己発電」を認めてしまうような気がして嫌だったからだ。
さてさて、♪何がでるかな何がでるかな~と・・・
俺は、「緑」のドアを開けた。
すると・・・・
「お待ちしておりました」
と、全く予想を反してお出迎えがあった。
お辞儀をして出迎えたのはホテルの女性従業員の格好をした金髪の美女。
はっきりいって、シグリーシャに似ている。
けど、彼女とは違って年を若くした感じだ。
シグリーシャが24~25歳のお色気絶頂と例えるなら、目の前の彼女は
シグリーシャを18歳くらいにした若い感じだな。
凹凸がシグリーシャより少ない。
更に言うなら、シグリーシャは基本にこにこ笑顔だったが、目の前の彼女は無表情気味でちょっとツンとした感じだ。
また場所に関しても、いきなりネットの出来る部屋に入るわけじゃないようだ。
ここは広くて・・・・例えるならホテル入り口の前に居る感じだ。
そして、目の前の子は誰なんだろうか?
「君は誰なんだい?」と尋ねてみる。
「シグリーシャ様から案内を任された者で名前などはありません。
最初という事で、説明する役を仰せつかりました」
へぇ~、案外気が利くじゃないか。あの女神さま。
よっぽど俺に対して後ろめたい事があると見たぞ。
「まずあのドアは申し訳ありませんでした。
あれは・・・・まあお判りとは思いますが、後ろめたい事があったシグリーシャ様が
謝罪する意味で作ったものです。
今後は両開きのドアが出現しますのでご安心ください。
また、両開きドアは設置場所によって大きさが変わりますので
覚えておいて下さい。
どの大きさのドアであっても、軽く押すだけで入れます」
・・・・まあ、そうだな。毎回あんな扉じゃ恥ずかしい。
俺だけなら別にかまわんが、将来見つけたお相手が見たらどう思われる事か・・・・
それに軽く押すだけで入れるってのありがたいな。
緊急時にドアノブひねらないと開かないとかじゃ、命取りになるだろうからね。
「それでは順にご説明します。
まず今日は最初という事で特別に時間は減りませんが、
本来であればこの場所に入った時点から滞在可能時間が減って行きますので
ご注意下さい。
ドアを潜るとこの場所に出ます。
修一様ならご存知だと思いますが、ホテルとかでよくある入口の「風除室」に
あたる場所となります」
・・・・『風除室』と聞いてピンとこない人もいるかも知れないな。
よく入り口が二重の自動ドアになっているのを見かけた事はないだろうか?
その自動ドアと自動ドアの間にある空間の事だ。
この空間でよく濡れた傘をはたいて水を落としたりとか、絨毯が敷いてあって靴の汚れ落としをする場所とかで利用される事が多い。
二重の自動ドアにしている理由は、建築内に突風が吹き抜けるのを防ぐ役割を担う為だったはずだ。
そしてここの風除室は、大学にあった体育館くらいに広い。
確か体育館の広さが縦25m×横35mだったかなぁ?それぐらいある。
高さも10mくらいありそう。天上には日本の現代風のやさしい光の照明が
複数ついていた。
「通常よりかなり大きめにしてありますので、全身が汚れている場合は
ここで汚れを落とすクリーンの神法や水精霊の水などで洗って下さい。
すごく汚れている方の場合、ここから先にはいけず出口に飛ばされますので
ご注意下さい。
また、狩ったモンスターなどがあった場合は左側の少し高くなっている場所に
置いてください。10mクラスのものでも置ける広さがありますので。
ちなみにここに置いておけば、奥で買取成立した時に勝手に消滅します。
次に、右壁にあるものは見て頂くとすぐお判りになると思いますが・・・・」
「トイレがあるぅうう!!!」
・・・・いかん、つい説明を遮って声に出してしまった。
けど、本当にこれだけでうれしいんだぞ!
おまると表現したこの世界のトイレは、本当に汚いからな。
うむ、日本のご家庭によくある洋式トイレだったが十分だ。
今日から大きい方をする時だけはネットルームに決まりだ!
常に余裕ある滞在可能時間を保つよう、心がけないとな。
さて、すこし話を脱線させてしまったが、少々補足説明を。
ネットルームドア → 風除室に入ると右壁に近い場所に出るようだ。
だから右壁まで結構近い。
そして奥へ入れる大きい正面のガラスドアも、右壁に近い場所にある。
つまり、左側の一段高くなっているスペースが広いだけだ。
狩ったモンスターを置くには、これぐらい広さが必要なのかな?
そして右壁にはトイレ以外にもう1つドアがあり、中を開けると更衣室だった。
奥行きもあって結構たて長で広い。いちばん奥には下り階段がある。
そして入って左側の壁には着替えをいれるような棚やかごが置いてあった。
中央には公園でよくかける背もたれのない長平な木の縁台(えんだい)があり、
反対側の壁には透明プラスチックのようなの囲いで覆われてるシャワー室が
設置されてあった。結構広いな。
俺の後ろについて来ていた彼女が説明を再開した。
「・・・・遊び目的などで長期利用する際に、購入した服を保管できてかつ着替える
場所があると便利だろうと、この更衣室を作ったそうです。
無料なのでご自由に利用してください。
あとその・・・・シャワー室はその・・・・お相手さんと・・・・ええと・・・・
一緒に利用出来ると喜んでもらえるだろうと・・・・作られたそうです。
またその・・・・お金が溜まればここもいろいろ拡張や改造ができると・・・
聞いております」
ふふ、無表情から一変して顔を赤らめて照れた表情をしたな。この程度で。
結構純情なのかもしれない、この子。
お相手さんと一緒に利用出来る、ね。
つまりはそういう事なのだろう。
お相手の彼女にちょっとムラっときてしまって、とあるケロッ〇CMのごとく
「もうガマンできな~い♪」
といった時、ここなら入ってすぐ「一緒に利用できる」というわけだ。
確かに無いよりはあったほうがいい。絶対にいい!
なら、ぜひとも縁台だけじゃなくベッドもここに欲しい・・・・
いや待て、待つんだ俺よ。
ベッドでしたいなら別の部屋を作ってそこで楽しめばいいだろう。
更衣室では更衣室なりの楽しみをするのが王道じゃないか?
シャワー室の中のみで最後まで楽しむとか、この長い縁台にバスタオルを
敷いてその上で楽しむってのが・・・・
ああ、悩むがすっげー興奮する!
早く利用できるよう、がんばらないとな!!
**********
=作者あとがき=
作者の獰猛死神です。読んで頂いてありがとうございます。
さあ、だんだんこのルームの意味が出てきましたね。
主人公が今後どう改造していくのか利用するのか
それともしないのか・・・・こうご期待!
作者はチキン野郎ですので、誹謗の類はご遠慮下さい。
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