第30話 息吹
別に深く考えたとかではない。
このままでは絶望に伏せそうで、
このままだと「心」が死にそうだと思ったとき
「心」と思った瞬間すぐやり始めたのが・・・・
昔ならった、空手の呼吸法「息吹」だった。
俺が通っていた空手の師範が言っていた
「何故 息吹が大事なのか判るか?」と。
消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
両手の肘を腰に当て、足を軽く開き肛門を締め下半身を固定する。
鼻から新鮮な空気を吸い込み、丹田から力強く吐き出す!!
俺が通っていた空手の師範が言っていた
「息とは『自らの心』と書く」と。
消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
俺が通っていた空手の師範が言っていた
「息を吐くという事は、自らの心に溜まった悪いものを吐き出す事に繋がる」と。
消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
俺が通っていた空手の師範が言っていた
「そして息吹は、心に溜まった悪いものを吐き出して心を整える」と。
消えたい消えたい消えたい消えたい消えたい
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
俺が通っていた空手の師範が言っていた
「心を整えることは、自らの最大の力を発揮する為に必要不可欠。
だから重要なのだ」と。
消えたい消えたい消えたい消え
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
俺が通っていた空手の師範が言っていた
「そして心を整えない者、心を疎かにする者ほど・・・・」
消えたい消えたい
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
俺が通っていた空手の師範が言っていた
「様々な意味で『道』を失いやすい」と。
消えたい
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
俺全身汗だくになりながらも・・・・無心に
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
心に溜まった悪いものを・・・吐き出し続けた
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
スーーーーー ハァアアーーーーーー ハァー!
・・・・・
絶望感が薄くなってから
俺はゆっくりと・・・・構えをといた。
ハァ、ハァ・・・・
・・・・・
良かった、もう大丈夫そうだ。
師匠、大事な教えをありがとうございます。
これからも心が揺らいだ時は、使わせてもらいます。
ただ、道はエロ方面に外れてしまっているかもです。すいません。
・・・・・
心の中で師匠に謝罪しながら・・・・
・・・・・
呼吸と心を落ち着けて・・・・
・・・・・
改めて部屋を見た。
・・・・なんだよこの部屋は!
異世界に来たらお約束ってのが、
・美人のお姫様に「お待ちしてました勇者様」とか言われ抱きつかれる
・巨乳の母親のおっぱいを当てられてる
とかが定番だろう?
なのに、俺が転生して目が覚めた部屋はなんと・・・・
排泄物が各所にぶち巻かれた部屋の中だった。
こんな転生の出だしがあるってのか。ちくしょう!!
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