第27話 女神の本心

 この能力は

「どこでもド〇」+「精〇と時の部屋」+「異世界ネット通販」

だろう?

ちょっと「どこでもド〇」の言い方は誤解を招くかもだが、

絶対安全避難場所へ繋がる「どこでもド〇」だ。


 そして最初から俺はオリハルコンを5個も与えられる予定だ。

をだ。

正確な値段までは判らないけど、これを売って金にすれば

絶対安全ネットルームの滞在時間をかなり増やすができるだろう。


 それだけじゃない。

一日の睡眠時間が7時間として、この能力があれば「7分」で足りるわけだ。

食事だってこのルームの中で買って済ませたら朝昼晩合計「3分」で終わる。

あとの23時間を現実世界時間として全て自由に使える。

・・・・まあ23時間も起きていられないし、休憩がてらネットで遊ぶだろうけどさ。

それでも毎日の現実世界時間ほぼ全てを有用出来るだろう。

自分の修練とか怪物倒してレベルアップに使ったりとか。


 また何か困った事があれば、一度ネットルームに逃げて、

対策を考えたり必要な情報を調べたりすればいい。


 危険察知能力も貰える予定だから危機的状況に陥る可能性はぐっと下がるだろうし、シュワンは神法であれ魔法であれ『力』の扱う素質の持ち主でかつ体力も優れていると言っていた。更に俺は地縛霊時に得た『力』も有している。


 やっぱり今、俺はチートになってきているし、なろうとしている。

これでネット通販で買えた品も全て外に持ち出して使えたなら、更に増すだろう。

買えるか判らないけど、ロケットランチャーとか30mm機関砲とかをね。


「・・・・ねえ、修一さん」


「なんだ?」


「薫さん、尼になりましたよ」


 !!


 急な話に、俺は一瞬理解出来なかった。

前世の彼女の事だと理解するのに、時間が掛かった。


「ここも「時間軸から外れた場所」なので他の世界と時間の流れが違います。

 すでに修一さんが来てからから、地球では3年ほど経過しています。

 

 薫さんは意識を取り戻した後、癌が消えている事を知りました。

 沙耶ちゃんから見せてもらったスマホに映っていた修一さんを見て、

 『私はこんないい人を裏切って死なせてしまったんだぁ~』

 って号泣してました。


 泣いて泣いて泣き終わった後、すぐ仏門に入りました。

 そして今は、修一さんのご両親の介護をしています。

 最初は何度もご両親に追い返されていました。

 でも、薫さんは礼を持って接していきました。

 今ではもう、ご両親も許しておりますよ」


 ・・・・そうか。

 親父は俺よりちょうど30歳年上だ。

 もうそれなりの高齢だろう。

 親父たちを替わりに介護してくれてるならありがたい。


「修一さん、あなたはまだ薫さんを?」


 今までとは違う表情で女神は問いかけてきた。


「ああ」


 殺したいとまでは思わない。

 でも・・・・殺意が完全に無くなったわけじゃない。


 俺との約束を破った。俺の恋人なのに浮気した。

 俺が待っているのを知っていて前カレと抱き合っていた。

 憎しみが消えるわけがない。許す気もない。


 ゆっくりした口調で女神は問いを続ける。


「もしも・・・・」


 ・・・・

 

「もしも・・・・薫さんが『』としたら・・・・

 修一さんは、どうされていたでしょうね?」



 ・・・・



「・・・・修一さんは本当に私から見て面白いんですよ。

 エッチで変態で面白い事が大好きで。

 内心は恨み憎んでいるのに、薫さんを殺さなかったですし」

 

「シグリーシャが諭してくれたからだよ。

 そういえばまだ礼をいってなかったな。

 あの時は本当に助かった。ありがとう!」


 俺は丁重に頭を下げてお礼を言った。


「どういたしまして♪

 でも最後に留まったのは、修一さん自身です。

 修一さんは凄いです。・・・・私と違って」



 ・・・・え?



「修一さん、私もね。

 面白い事、楽しい事が大好きです。

 他の人のプライバシーを覗くのも大好き。

 でもね・・・・」



 ・・・・



「私の世界の「人族」が、心の底からなんです。

 憎んでいるのに殺せない事がもどかしい。

 私の世界の人族なんて本当は増えなくていい、むしろ

 『管理神』であるのに、そう・・・・思っているの」




 **********

 =作者あとがき=


 作者の獰猛死神です。読んで頂いてありがとうございます。


 終わりが見えてきた・・・たぶん。

 うまく自分の考えてるストーリーがまとめられれば・・・・おそらく。

 

 ちなみに、この話は後の「伏線」を含んでます。


 作者はチキン野郎ですので、誹謗の類はご遠慮下さい。

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