第20話 ツッコミは女神様

「待てっ!何が『というワケで』だ!?

 全く持って意味わかんねぇぞ。俺は成仏したんじゃなかったのか?

 そして、そもそもお前は誰だ?」


 全く持ってツッコミどころ盛りだくさんだ。


「はいはい、ではまず自己紹介からですね。

 私の名前はシグリーシャ。創造主様からこの世界を任されている管理神で~す。

 修一さんの「ツッコミ役」でもあります♪」

 

「あんただったのかい!」


 俺にツッコミ入れていたのは、ずいぶんと陽気な女神様だった。

俺の知っている「ああっ」が付くお淑やかな女神さまとは程遠いノリの軽さ。

でも金髪碧眼の凄い美人だ。いや美神っていうのか?

特上に盛り上がってる胸も、やわらかそうな「太もも」も魅力的だ。


 服は天衣無縫の布を纏って金具でとめてあるみたい。

平たくいえば古代ローマ神の衣装そのまんま。

スカート(というんだろうか?)は超短いのに、中が見えないのが悔しい。


「で、その女神様がなんで俺なんかを転生させたいんだ?

 あんたが任されている世界が危機的状況とかなのか?」


「いえ、全然平和ですよ♪」


「なら、なんで転生させようとするんだよ?」


「それは・・・・」


「それは?」


「ひとつは、見ていて爆笑するほどあなたが面白かったからですよ♪」


 ・・・・


「・・・・恋人に待ちぼうけ食らって、死んだ間抜けが面白いって事かよ?

 ずいぶんと悪趣味な女神だな」


「いえ、失礼ですが恋人に裏切られるのも

 急に死んでしまうことも良くある事ですので。

 面白かったのはあなたの『地縛霊となった後の行動が』ですよ♪」


 ・・・・え?


「ちょ、ちょい待てぃ!ってことはやっぱりあんた俺のあんな事とかを全部・・・・」

「ええ、見させて貰いましたよ。変態でスケベな行いの数々を。ふふふ♪」


 な、なんですとー!!!

そんな俺を見て楽しそうに笑う女神さま。


「いやー暇なのが辛いのは凄く理解できます。ものすごくね♪

 私も一応神で長い時間存在してますからね~、暇っていうのがホントに強敵なんですよね。

 まあ覗きに関してましては、男の子ですしツッコミさせて貰ったので置いときますね。


 しかし・・・・


 台風で誰も出歩かない日に上半身裸になって

 『♪ファミ〇〇ウォーズを知ってるかい?』

 とか歌いながらランニングをしたりします?

 大雪の日に、

 『♪思い~込んだら 試練の〇を~』

 とか歌って『力』使ってまでうさぎ跳びをします?

 わざわざ電灯のところで『飛〇馬』とか言って涙流して見守るあのお姉さん役まで自分でやりますか?地縛霊の貴方が?

 ぷぷっ、ホントにおバカさんですね!」

 

 ケタケタ腹を抱えて笑う女神様。

顔から火が出るほど恥ずかしい。しかも何も言い訳できねぇ~。

あと、見えそうで見えない絶対領域に目がいってしまう。


 あの行動は本当に暇だったからだ。誰もいない日は特に暇でつらかったのよ。

だから裸でマラソンとかっていうのは、そんな気分を払う意味でやってたんだよ。

馬鹿な事をしたのも、気を紛らわそうとしてただけなんだよ。


「ううっ(気を取り直し中)

 しかしその、面白かっただけで俺を転生させてくれるって言う事なのか?」


「まさかぁ♪

 まあ、地縛霊になったのにそんなおバカな事をしている修一さんを

 この世界に招いたら面白そうだという理由も、かなり占めていますけどね。

 一番の理由は、修一さんの『魂力(こんりょく)』の大きさですよ~」



・・・・魂力?




なにそれ?




**********

=作者あとがき=


作者の獰猛死神です。読んで頂いてありがとうございます。


ようやくプロローグの終わりが見えてきましたが、

まだ続きます。

長くてすみません・・・・


作者はチキン野郎ですので、誹謗の類はご遠慮下さい。

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