第19話 現世との別れ そして・・・・
この寒さの中、泥酔して眠ってた白川薫。
彼女に毛布を掛けたり救急車を呼ぼうとしている池田さんと沙耶ちゃんのご両親。そして沙耶ちゃんとバク。
俺はもう一度彼女に「憑依」する。
彼女の肝臓の数箇所とその他に数箇所の「異物」を確認した。
これが癌なのだろう。
そして、あの言葉の意味を考える・・・・
そうか、念「動」力だけじゃないって事か。
確か、すごい振動は消滅させる力があるとかって漫画で読んだな。
試した事は当然ないけど、イメージした所を消滅させれる力、
いうなれば念「消」力も出来るんじゃないか?あの言葉が本当なら。
俺はさっそく「癌」だけ「消える」ように強く念じてみた。
その後再度憑依すると、彼女の体内に巣くう「異物」が全て無くなったいたのが確認できた。これで彼女は大丈夫だろう。
今更彼女に死んでこっち側に来て欲しくなんてないからな。もう少し現世で後悔しながら生きてもらおう。
さて、これでもうこの世に思い残す事はないハズだ。
まあ家族にひと目会いたかったとか、未練ならいっぱいあるけど・・・・今更だな。
ありがとうバク、最後にもう一度お礼を言った。
するとバクは振り返って、俺の方に向かって吼えた。
「バウ・・・」
心なしか悲しんでくれてるように思えた。
そうか、これでお別れなのが判るのか。
ホント天才犬だよお前は。
ありがとうバク。
すると・・・・
「ひぃ!!」
「ゆ・・・・幽霊!?」
と、バクの主と沙耶ちゃん達も俺の方を見て驚いていた。
理由は良くわからないけど、どうも今だけは俺が見えているらしい。
ならば・・・・
俺は彼女を指差して、そしてお辞儀をした。
「・・・・彼女を頼むと・・・・そう言っているのですか?」
と、バクの主である池田さんが恐れながら聞いてくる。
霊である俺の声など聞こえないだろうから、ゆっくり頷く動作をした。
判りましたと返事をする池田さんに、俺は微笑んで見せた。
沙耶ちゃんは・・・・持ってきていたスマホで俺を撮っていた。
映っているか判らないけど・・・最後に沙耶ちゃんとバクに手を振って・・・
俺は上空に、天に向かって浮いていった。
これでやっと成仏できるんだな。
さようなら。現世。
可能なら、また人間に生まれ変わりたいな。
そう願いながら、俺は上へと昇りつづけた。
そして光に包まれて・・・・
俺は・・・・
・・・・成仏しなかった
「お待ちしてました~!
ホント、プロローグが長すぎでしたね♪」
・・・・
「コホン、失礼しました♪
ようやくお会い出来て嬉しかったので、ちょっと本音がでちゃいました。テヘ!」
・・・・
「というワケで、貴方のその願いを叶えてあげます。
異世界に人として転生しませんか?」
・・・・
・・・・
ワケがわからんわっ!!!
**********
=作者あとがき=
作者の獰猛死神です。読んで頂いてありがとうございます。
さて、ようやくここからです。
ウィザー〇リィとかで言うなら、キャラ作成ってところでしょうか?
あと「念消力」はちょっと強引過ぎた気もします。すいません。
作者はチキン野郎ですので、誹謗の類はご遠慮下さい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます