第16話 修一の怒り 2

 風俗譲になった・・・・だからどうした?

他の男に抱かれたからなんだっていうんだ。

それで許されると思ってんじゃねえ!!


 俺はこのクソゴミ女に「憑依」して・・・・見てしまった。知ってしまった。

記憶を見たからこそ知ってしまった。

いろいろ知りたくなかった事まで知ってしまった・・・・


 ちくしょうがぁああ!!!


 さっきコイツ自身が言ったとおり、この女はあのイケメン先輩を諦められなかった。だから嘘だと判っていても、あの復縁に望みかけてしまった。

俺を裏切ってでも、周りから非難されても、もう一度来た儚いチャンスに全てを委ねてしまった。


 そして、仮に復縁出来たら俺と別れるつもりだった事も知った。

別れる際、数回くらいなら肉体関係を持っても構わないと。

俺ならそれで許してくれるだろうって考えていた事も。


 仮に復縁出来なくても、あの日に子供を宿したら産もうと思っていた事も。

その時は、俺にお金を工面して貰おうと考えていた事も。

やはりその際も肉体関係を了承すれば、俺なら許してくれると考えていた事も。



 全て、全て知ってしまった・・・・



 本当に・・・・



 俺を何だと思ってたんだ・・・・



 てっめぇぇぇぇえええええぇぇ!!!!



 自身がどす黒くなっていくのが判る。

 俺は「念動力」を使って、このクソ女の首を絞めた。


 抵抗ひとつしない。酔ってほとんど意識がないからか。

どのみち、コイツは何もせずとも近いうち死ぬ。


「憑依」して判ったが、肝臓癌でもう長くないらしい。

そして、もともとここで死ぬ気だった事も知った。

だから肝臓が悪いのに、アルコール度数の高い酒を飲んでいた事も。



 じゃあ、別に今死んでも大差ないだろう。


 

 なら、お望みどおり・・・・


 

 今、ここでこの場で・・・・


 

 殺してやる!!



 俺は、コイツの首に掛けてる念動力を・・・









[・・・・本当に]




 いつものツッコミとは違うやさしい声が、




 [殺してしまうのですか?]




 俺の頭に届いた。




**********

=作者あとがき=


作者の獰猛死神です。読んで頂いてありがとうございます。


次からようやく、プロローグ後半に入ります。

なんでこんな長いプロローグにしてしまったのか、

正直自分でもよく判っていません。(マジで

削らなければ、もっと長くなっていました。


作者はチキン野郎ですので、誹謗の類はご遠慮下さい。

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