第9話 唐突に現れたのは・・・・

 今日は12月の24日。


 チキンやらケーキやらを買った子供連れのお母さんなんかをよく見かける。

楽しそうでいいよな。


 今年はどんなプレゼント貰えるかって話している子供達がいた。

ふふ、サンタさんのホントの正体はご両親とか身内なんだぞ。

いつか判るんだろうけど、それまで知らないほうがいい。

でも夢があっていいよな。俺も昔はサンタの存在信じてたっけな。


 あと今年は公園内でチキンを食べようとする人が居なかったな。残念。

2年前だったかな。

その時どうしてもチキン味わいたくなった俺は、チキンを買って公園通った男性に『力』を使って、久々にコンタのフライドチキンを味わったっけ。


 その男性は「どうしてチキン食べちゃったんだ?」って、頭抱えてた不思議がってたな。

ごめんよ。俺のせいなんだ。


 そんな昔の事を思い出しているうちにどんどん時間が経過して・・・・

現在時刻は23時55分。

もうすぐ、今の俺にとっての誕生日と言える25日に替わる。

いや、誕霊日とでもいうのかね?


 こんな日の公園に何時までも居続ける人などいるはずもなく、もう公園内には誰も居なくなってしまった。

俺はなんとなくあの日と同じように座っていた。

死んだ日と同じベンチの上に。


 さすがにこの日だけはちょっと憂鬱になるな。

いい加減、成仏させて欲しいもんだ。サンタがきて成仏させてくれないかな?

それともこの公園が潰されでもしない限り、開放されないのかな・・・・


 そんな事を考えていると、空から白い粉が降ってきた。

雪か・・・今年はホワイトクリスマスになるって訳か。

世の中のカップルは、今頃この綺麗な雪を見ながら愛しい人抱き合ってるのかな?

くっそ恨めしい・・・もとい羨ましい。


 そして、なんとなく・・・・そうなんとなくふと思った。

あの女は、今幸せなのだろうかって。

考えないようにしていたのに、なんでだろう?

本当はもうあの女と会いたくないんだが・・・・


 そんな時、公園に人が入ってきた。

その人の顔を確認した瞬間、俺の中に何かの衝撃が走った。


 その人とは・・・・服の上からでも判る大きい胸の女性。

さすがにもう大人びているが、それでもまだ可愛いといえる容姿。

一発で判ってしまった。


 俺が死んだ日、この場所で待ち続けていて・・・・

そして結局こなかった女性。







 かつての恋人・・・・白川薫(しらかわかおる)だった。




**********

=作者あとがき=


作者の獰猛死神です。読んで頂いてありがとうございます。


ようやくプロローグ中盤です。

長くてすみません。

ここまで書くので何日かかって、何度修正したかなぁ。

語彙力ないと難しいですね。


作者はチキン野郎ですので、誹謗の類はご遠慮下さい。

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