昔ー③
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「結唯ちゃん。まだ残って練習するの?」
「はい。まだ不安なところがあるので」
「そう? 結唯ちゃんはパートの中じゃあ、一番練習していると思うけどなぁ~私は」
「ありがとうございます、
「うーん……。分かったわ。30分だけね。それ以上」
「はい」
「じゃあ、戸締まり「結唯、帰るわよ!」
「香織!」
「すみません、神楽先輩。結唯を今すぐ連れて帰ります」
「四宮ちゃん。すごいタイミングがいいわね。違う意味で驚きだわ」
「また残って練習するんだろうと思って」
「さすが、その通り」
「帰るよ、結唯」
「でも……」
「でもじゃあない。先輩にも迷惑かけて。先輩は最後の戸締まりがあるんだから。結唯が残っていたら迷惑でしょうが」
「……」
一瞬、し~んと
「帰ろう。ねぇ、結唯」
「……分かった。片付けするね」
「うん」
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。神楽先輩」
「あれ、どうしたの二人して?」
「山口先生が音楽室の鍵を早めに持ってきてほしいと頼まれました」
「えっ!」
「このあとに急に職員会議になるそうです」
「分かった。ありがとう、達也君に冬馬君」
「いいえ」
「すみません、お待たせしました」
「じゃあ、鍵閉めるね」
部長の神楽先輩が鍵を閉める。
「よし、これで大丈夫ね。じゃあ、みんな気を付けて帰ってね」
「「「はい」」」
先輩は急いで音楽室から職員室へ向かう階段を降りていった。
「俺達も帰ろうぜ」
「そうですね」
「そうだな。冬馬と四宮さんは電車通だよね。時間、平気?」
「まだ、大丈夫です」
「俺も!」
「ごめんね、私のせいで……」
「誰もそんなこと言っていないでしょう!」
「うん……」
「結唯ちゃん、元気ないね。何かあった?」
「ううん、平気。元気だよ」
「……」
「なに、達也?」
「いいや、別に……。悪いが先に行ってくれないか。ちょっと、トイレに行ってくる」
「分かった。昇降口で待っているから!」
「分かった」
「結唯。ごめん、先に行って」
「香織?」
「四宮もトイレかぁ?」
「バカ!」
冬馬と結唯が先に昇降口に向かい、俺と四宮さんがその場に残った。二人の足音が聞こえなくなった瞬間に俺から四宮さんに話し掛けた。
「四宮さん。結唯に何かあった?」
「どうして?」
「何か、俺達の前じゃあ
「さすが幼なじみですね。長い月日を一緒にいただけはありますねぇ」
「それ、
「誉め言葉として受け取って下さいな。確かに最近の結唯は……何か、
「焦っている?」
「何でかは、分かりません。今日も部活後に一人残って練習しょうとしておりました」
「だと思った。最近、やけに遅く家に帰って来るって聞いたし、逆に聞かれた」
「そうですか……」
最近の結唯は、おかしいなぁと俺も思っていたし、自分の勘違いかも知れないと気持ちが半々だったから、結唯の一番の友達の四宮さんに話を聞きたいと思っていたが、四宮さんに話を聞けて良かった。けど、四宮さんにも何となくしか、分からないのか。
「あの白銀君」
「ん?」
「白銀君の方でも話を結唯から聞いてあげて下さい。きっと、幼なじみだから言える事もあるんだと思います」
「分かった、聞いてみるよ。四宮さんは優しいね」
「! さぁ、行きましょう。先に行った二人が待っています」
「そうだね」
俺は、二人が待っている昇降口に四宮さんと一緒に向かった。
「待たせた」
「おっ、やっと来たかぁ~。じゃあ、帰ろうぜ!」
「そうですね」
「うん」
四人
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