日常ー②
放課後。今日も部活に明け暮れている。
俺が所属している吹奏楽部は、40人と少ないのか、多いのかは、分からない。3年生が10人、2年生はが15人、1年生が同じく15人と3年生が一番少ないのだ。
今、3年生だけは音楽室にいて、他の部員は、各パートごと空いている教室を借りて、夏の大会の曲を練習している。
俺達がいる地区は、なぜか強豪校が多く、いつも銀賞で終わってしまう。俺達、最後の大会は金賞を取りたいと、みんなの思いは一緒だ。大会は、課題曲と自由曲があり、課題曲はどこの高校も一緒だから上手いか、下手かがわりと聴いただけで分かってしまう。けど、早めに練習が出来るから、練習でカバーし、上手くなっていくしかない。
自由曲も他の学校と曲がかぶる事がなければ、他の学校と比べられる事はないだろう。けど、かぶってしまったら比べられる。自由曲の曲は、それぞれ大会まで分からない。情報なんて入ってこない。こればかりは運にかけて、ひたすら練習するのみ。
他の学校は、どうだろうか知らないけど、俺達の学校は、まず顧問が何曲か曲を聴いてリストを作る。それを演奏する俺達で決めると吹奏楽部の伝統的なやり方で決める。先生達が遅いと正直、焦る。
今は、5月の半ば。まあまあ早い方かもしれない。ちなみに大会は8月だ。曲を決めたら忙しくなる。
「さて、これで最後の曲になるから」
「早く、かけて達也!」
「結唯ちゃん。楽しそうだね。いつも元気だけど」
「うん、楽しいよ。最後は、どんな曲かなって思うと」
「結唯らしい言葉ね」
「えー。みんなは楽しくないの?」
「そんなことはありません。早く、聴きましょう。下級生も待ち遠しはずですよ」
「そうだな。じゃあ、達也」
「かけるよー」
みんなにせかされて、最後の曲を流した。
しばらく、音楽室に流れる曲を聴いていた。そして曲が終わるとみんな、どの曲がいいか、考え始めた。しばらく考えてから、
「まずは、1番がいい人」
「3人だね」
冬馬が手を上げている人を数えてくれた。
「じゃあ、2番目の曲がいい人」
「これも3人だね」
「じゃあ、1番最後に聴いた曲で決まりでいいのかな」
「いいぜ」
「構いません」
「副部長2人もOKみたいだし、いいと思うよ。ねぇ、みんな?」
「「「うん」」」
「じゃあ、先生に報告してくるから、みんなも各自パート練習に入って」
みんなが頷いたのを確認して俺は、先生からの預かった物を持って職員室に行く準備をする。
「戻って来るの遅くなったら、四宮さんと冬馬、あとはお願いしてもいい?」
「了解~」
「時間になったら合奏すればいいんですね?」
「それでお願いするよ」
「分かりました」
俺は副部長の四宮さんと冬馬にあとの事のお願いして先生の元へ向かった。
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