日常

 「じゃあ、白銀しろがね君。次の授業が変更になったのを伝えてもらえるかな」

 「分かりました」

 担任の藤咲先生に呼ばれは、俺は次の授業が変更になる事を告げられた。今日が日直だから授業の変更のお知らせで呼ばれた。

 俺の名前は白銀 達也たつや。自分で言うのもなんだけど、勉強も運動もどちらに傾く事がない、文武両道。友達思いだと思っている。部活は吹奏楽部に所属で、部長をやっている。周りからは、後輩思いで面倒見がいいよねとよく言われる。俺にとっては普通にせしているだけど。

 お昼休みが少し短くなったけど。まぁ、残り時間は、まだあるから早めに先生に言われた事をクラスのみんなに言わないと。

 「おっ、達也。やっと戻ってきた。先生、なんて?」

 「今、言うから」

 俺が来るのを待ちわびていた友達の冬馬とうまが話し掛けてきた。

 「みんな~次の時間は、現代で。6時間目は、体育に変更だって」

 『えーっ』、『やったー』といろんな声が聞こえてきた。

 「なぁ、達也。体育は何をやるか聞いているか?」

 「いや、聞いていないけど?」

 「そっか~」

 『失礼します。白銀君いますか?』

 「おーい、達也~。呼んでいるぞ」

 「ありがとう」

 俺は、廊下に出てみるとそこには、俺の幼なじみの早乙女さおとめ結唯ゆいと同じ部活の四宮しのみや香織かおりの2人さんがいたんだ。

 「結唯に四宮さん。どうしたの?」

 「これ、顧問の遠堂えんどう先生から。自由曲のリストで3年生で決めて先生に報告してほしいそうです。どうします?」

 「どうする、達也?」

 「うーん……とりあえず、今日の部活で曲を聴いて選ぶしかないよなぁ~。他のメンバーは課題曲を練習してもらって。早めに自由曲を決めた方が、たくさん練習出来るし」

 「その考えは賛成ねぇ」

 「うん。私もそれがいい!」

 「じゃあ、冬馬には俺から伝えるから。あとは、部活が始まってからでいいだろう」

 「そうですね。じゃあ、これ、お願いします」

 「分かった、預かるよ」

 俺は、四宮に顧問からの預かり物を預かった。預かった物は、1枚の紙と3枚のCD。3枚のCDから自由曲を決めろと顧問からの指令だ。

 結構、大変なんだけどなぁ~。

 「話代わるけど、達也達も6時間目は体育なの?」

 「そうだけど。何で知っているんだ、結唯?」

 「声が聞こえたから」

 「そこまで大きかったか?」

 「うん。ねぇ、香織」

 「そうですね」

 「マジかぁ~」

 先ほどから俺と話をしているのは、幼なじみと同じ部活仲間。

 幼なじみの早乙女結唯。明るい性格で、髪が長いのと可愛い顔立ちから男子に人気があって、通称大和撫子女子と影では、呼ばれているらしい。

 もう一人は、四宮香織。頭が良く、しっかり者の彼女。同じ吹奏楽部で副部長をやっている。

 「あれ、四宮と結唯ちゃん。なかなか、達也が戻ってこないと思ったら。二人が達也に話し込んでいたんだ」

 「やっほー、冬馬君。顧問から達也に渡してほしい物を預かったの。それで、渡しにきたの」

 「冬馬。もう、時間か?」

 「まだ、大丈夫」

 「そっか、ありがとう。あとで冬馬にも話すよ」

 「分かった」

 俺を呼びに来たのは、同じクラスで俺の友達の山之内やまのうち冬馬。同じく吹奏楽部で副部長をやっている。元気がとりえで、ちょっとチャラぽく見えるが、根は真面目な奴なんだ。

 「そろそろ、教室に戻りましょうか、結唯」

 「そうだね。じゃあ、二人共。6時間目でね」

 「結唯、それって」

 「うん、多分、6時間目は合同になるかもしれないよ。私達も6時間目は、体育だから。またね」

 クラスが違う結唯と四宮さんが戻っていく。

 「なぁ、達也。それって本当かぁ?」

 「知らない。でも、何気に結唯の勘って、当たる事が多いからなぁ~。案外、そうかもよ」

 「ふ~ん、なるほど。ちょっと達也、耳貸せ」

 「ん?」

 俺は、冬馬に言われた通りに耳を傾ける。冬馬が俺の耳元で『さすが恋人同士』と言ってきたので、俺は冬馬の背中をバッシンと強めに叩いた。

 冬馬の『痛ってー』という言葉と同時にチャイムが鳴った。

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