青空のメロディー ~君と過ごした時間~

神崎 あやめ

プロローグ

 ミンミンと黄昏から夜へとだんだんと暗くなっていくなか、まだ暑い。

 昇降口に来て、俺は周りを見た。

 「お疲れ様、達也たつや

 「ごめん、待たせたな」

 「平気。一緒に帰りたかったし、今日で先輩は引退だから、引き続きがあって遅くなったんでしょう」

 「まぁ、簡単にな。詳しい事は明日だな」

 「そっか~。これから頑張って、新部長さん!」

 「簡単に言ってくれるなぁ~」

 「そうかな。まぁ、帰ろう」

 「そうだな。あっ、少しいいか?」

 「うん、なぁ~に?」

 少年は、勇気を持って今、目の前にいる幼なじみに自分の気持ちを伝える。

 「結唯ゆい、俺と付き合ってくれないか!」

 「えっ!」

 「突然の事で驚いているのは、分かる。俺は前から結唯の事が「いいよ」

 「えっ、今、なんて?」

 「いいよ。私も達也の事、好きだから」

 「マジで?」

 「うん。幼なじみから恋人同士に昇格だね」

 少年は彼女の返事にいまだに驚きと頭の中が追い付いていなかった。

 「早く、帰ろう、達也」

 「そうだな。ありがとう、結唯」

 「なんか照れるなぁ~」

 彼女の笑顔に少年は、落ち着きを取り戻していた。

 「ねぇ、達也」

 「うん?」

 「夏の大会で金賞を取ろうねぇ」

 「もちろん」

少年と少女はお互いに手を繋いで歩き出した。

 

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