115.炎熱の岩場での狩り

すみません、二度寝で寝坊しました<m(__)m>

その分チェックはしっかりやっているつもりですが、何分寝ぼけ頭なので抜けが多いかも……

**********


「さーて、モンスター狩りにはいい天気にゃ!」


 リオンが意気込んでいうが……そういえば灰色の森にきてから雨が降った記憶がほぼ無いんだが?


「リオン、灰色の森って雨が降るのか?」


「そこに気がついてしまいましたかにゃ。答えは雨期しかほぼ降らないにゃ。ちなみに雨期は3月から4月。吾輩たちが行動できない時期と重なっておりますにゃ」


「なるほど。じゃあ、あまり気にしなくていいということか。ちなみに炎熱の岩場の雨期はどうなるんだ?」


「……蒸し風呂らしいですにゃ」


「近づきたくないな」


「でも魔物も弱っているのでそれを目当てに狩りにくるものもいますにゃ。何事も良し悪しですにゃ」


「了解だ。さて、女性陣が揃ったら早速狩りに行こうか」


「はいですにゃ。今日の目標は300匹ですにゃ」


「多くないか?」


「それくらいしないとレベルが上がっていきませんにゃ。あ、ちなみに吾輩、いまレベル170ですにゃ」


「出会った頃は160だったよな。ソウルパーチェスの分配もなしに、よく上がったもんだ」


「ふっふーん。……あ、ミキ殿とアヤネ殿が降りてきましたにゃ」


「お待たせ。それじゃあ、狩りに行こうか」


「そうしましょう」


「ひとつ質問いいかにゃ?」


「なんでしょうか?」


「なんでふたりとも降りてくるのに時間がかかるにゃ? 装備は神器なので一瞬装着ですにゃろ?」


「わかってないわね、このネコ。装備をといたときに寝間着じゃ恥ずかしいじゃないの」


「それにお化粧とかもしたいですし……」


「化粧の件は了解したにゃ。でも寝間着の件は神器を外すときに自室に戻っていれば問題なしにゃ」


「くっ、痛いところを……」


「はいはい、そろそろいくぞ」


「わかりました、行きましょう」


「何事もスマートにね」


「今日も無事皆で帰ってくるにゃ」


 そうして出かけたわけだが……。


「うーん、家の前から団体さんにゃ」


「フートさん、大海嘯お願いします」


「了解した。大海嘯!」


 家の前にいた炎狼の群れは大海嘯に飲み込まれていった。

 だが、これがあまりよろしくなかったらしい。


「にゃ!? 敵の増援にゃ!!」


「結構な数がいるわよ!」


「フートさん、次の大海嘯は!?」


「30秒くらいだ!」


「それまで持たせましょう、皆さん!」


「わかっているにゃ! ウィル・オ・ウィスプがいないだけ楽にゃ!!」


「そうね……って炎狼が炎のブレスを吐きかけてくるなんて聞いてない!」


「あれ? 説明してなかったかにゃ?」


「聞いてないわよ、このネコ!」


「でもいまのアヤネ殿なら、ほぼ無傷のはずにゃ」


「気持ちの問題よ!!」


「……大海嘯の準備ができたんだが?」


「オーケー! やっちゃいなさい、フート!」


「わかった、大海嘯!」


 今回の群れもなすすべ無く大波にのみ込まれていった。

 一緒に飲み込まれたはずの仲間たちは、濡れてもいない。


「大海嘯も濡れないってわかっているけど、心臓に悪いわね」


「あんな波に飲み込まれたら命がありませんにゃ」


「フートさんを信じましょう、ね?」


「ミキ殿はフート殿を信じ過ぎにゃ」


 ともかく、キャンプ地前での遭遇戦は終了した。

 ドロップアイテムを集めてみたが、炎狼だけで70匹くらい倒したことになる。


「これは幸先のいいスタートですにゃ。さあ、次に行きますにゃ!」


「次に行くのはいいが、どうやって探すんだ?」


「テラとゼファーが頼みにゃ」


「匂いがわからないとどうにもならないぞ?」


「二匹には焦げた匂いを追ってもらえばいいにゃ。そこに炎狼たちがコロニーを作っていますにゃ」


「なるほど……頼めるか、二匹とも」


「「オン!!」」


 二匹が元気のいい返事とともに、鼻をスンスンさせ匂いを見つけて歩き出す。

 俺たちもそれについて歩いて行けば、そんなに離れていない場所にコロニー……跡を見つけた。


「ここはどうやらさっきの増援の場所みたいですにゃ」


「次頼めるか、テラ、ゼファー」


「「オフン」」


 また、鼻をスンスンさせて歩き出す二匹。

 次に見つけたコロニーには獲物がいてくれた。

 炎狼とウィル・オ・ウィスプあわせて50匹くらいか?


「それでは楽しいハントの時間にゃ。……といっても、大海嘯一発で終了にゃが」


「私たち、こんなに楽をしていていいんでしょうか?」


「いいんじゃない? 指導役のリオンがいいって言ってるんだし」


「といいますかですにゃ。ウィル・オ・ウィスプは、昨日も言ったとおり全体攻撃が、炎狼も炎のブレスや灼熱の牙や爪で熱傷攻撃を仕掛けてきますのにゃ。熱傷を負えば結局はフート殿のプラーナで回復するしかありませんにゃ」


「二度手間ってことですか……」


「そうなりますにゃ。だからここは不人気狩り場なんですにゃ」


「話はまとまったか? 大海嘯で押し流すぞ?」


「どうぞですにゃ」


「行け、大海嘯!」


 今度も押し流されたモンスター達が一撃でドロップアイテムに替わっていく。

 俺たちは周囲の様子を警戒するが……今回は増援なしのようだ。

 増援がないとわかれば手早くドロップアイテムを回収し、次のコロニーへ。

 なんだか生息地を荒らし回っているようだが、コロニーの中心にある灼熱石とやらを破壊しない限り、明日の朝には元通りだそうな。

 つまり、明日にも同じ場所で狩りができるということで……リオンはボーナスステージなどと呼んでいた。

 結局その日は7カ所のコロニーを強襲、増援を含めて400匹ほどの魔石を回収して終わりとなった。

 MP的な疲れは無いんだが、結構しんどいな、これ。

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