14.反省会
「食事も終わったし、今日の反省会といくぞ」
「……やっぱりしなくちゃダメですよね」
「当たり前だ。特にミキは死にかけたんだからな」
「わかりました。それで、なにが悪かったのでしょう?」
「うーん、悪かったことねぇ。正直、悪かったことは私たち全員が戦力差を正しく認識できていなかったことかしら」
「そうだな。俺もレベル差がある相手との戦闘を甘く見積もっていた。そこは大いに反省しないとな」
「あとはそうね……私とミキの前衛陣の引くタイミングが遅かったこと?」
「ですね。そのせいで私は致命傷を負ってしまったわけですし……」
そこは大いに反省してもらわないといけないな。
ゲームじゃない以上、死んだら終わりなんだから。
「最大の問題はそんなところか。他に問題はあるか?」
「そうね。私とミキは装備を破壊されたことが問題かしら。もう直ってるけど」
「装備が直ってる?」
「ソウルパーチャスを確認したら『装備修理』っていうのがあったのよ。それを使って修理したわ」
なるほど、便利な機能もあったものだ。
「ああ、それから支援魔法をかける前に突っ込んでいったことも減点か」
「私たち相当焦っていたんですね……」
「支援魔法って射程が短いの?」
「5メートルくらいしか飛ばないな」
「……じゃあ、先にかけてもらうまで待ってからじゃないといけませんね」
「あとはよかった点だが……」
「基本ないわよね」
「ないですね……」
「ないよな」
よかった点を上げろと言われても思い浮かばない。
それほどまでにひどい戦いだった。
「……そういえば、フート、見たことのない魔法を使っていたけどあれってどうしたの?」
「戦闘中にソウルパーチャスでスキルレベルを上げて覚えた」
「……器用なことするのね。でも、MPとかって足りるの?」
「精霊魔法って、自分のMPだけで足りない場合は精霊たちに周囲の魔力を集めてもらえるんだよ。精霊たちの気分次第だけど」
「つまり、二度も大魔法に成功したのは運も絡んでいたわけね」
「まあな。なんとなくいけそうだったからやってみただけでもあるんだが」
これも反省点かな。
失敗していれば全滅していたわけだから。
……どっちにしろ、成功しなければ全滅か。
「さて、いまの反省点を踏まえてこれからどうするかだな」
「はい! 今後は黒い森から出てきた魔物とは戦わないようにすることです!」
「ミキの言うとおりね。とてもじゃないけど勝ち目がないわ」
「あとは俺たち自身の強化か……普通にレベルを上げる以外になにかいいスキルはあったかな?」
「これなんてどうでしょう? 【身体強化】です」
「ああ、それね。説明は地味なんだけど、効果はかなり強いのよね」
「ほう。どれどれ……」
俺も【身体強化】の説明文を読んでみる。
……なるほど、説明文は地味なことしか書いてないが、スキルと自分のレベルアップ次第では大化けするな。
【身体強化】だから力や体力のような能力しか上がらないかと思えば、賢さや魔力なども上げてくれる。
唯一上がらないのは幸運だけのようだ。
「よし、まずはこれを採用しよう」
「はい! それでは【身体強化レベル7】を覚えてっと」
「……おいおい、ミキ。いきなりレベル7を覚えてソウルは大丈夫なのか?」
「はい、大丈夫です。多分、さっきのクマのソウルだと思うんですが3万くらいソウルが増えましたので……」
「私もそれくらい増えたのよね。フートはもっとでしょ?」
「ああ、そうだな」
あのクマの化け物、それほどまでに強かったってことだよな。
俺も【身体強化レベル7】を覚えてしまう。
「あとはどんな感じだ?」
「うーん、他は各自で探すしかないんじゃないかしら。他にも基礎レベルをいい加減上げるとかね」
「そうですね。さすがにレベル11じゃ厳しいかもしれません」
「俺の場合はレベル9だしな。よし、考えておこう」
スキル一覧を探っていいスキルがないかを探してみる。
すると、【魔力上昇】のような基礎能力を上げてくれるスキルが見つかった。
それから、俺の装備品に付いている【魔力回復速度増加】や【魔法威力安定】も見つけたのでこれも取得。
これらは上限がレベル5だったのでそこまでの取得になった。
あとは、精霊魔法も一律レベル5にして、支援魔法もレベル5にしてと。
また、コストは高いが【ソウルポイント1.5倍化】も覚えてしまおう。
元を取るまでに時間はかかるだろうが、効果は抜群だからな。
最後に見つけたのは、自分の従魔との絆が生まれる【テイム】スキル。
このスキルを覚えた状態で従魔が敵を倒せば、そのソウルポイントの一部がもらえるらしい。
その逆もあるようで、主従ともに強くなるスキルのようだ。
【鑑定+】によると、ステータスの一部も相互に上乗せされるので至れり尽くせりである。
また、一時的に従魔の力の一部を借りたり、逆に従魔に主人の力を貸したりもできるらしい。
この先、あの二匹を従魔として従えていくのであれば覚えておかなければいけないスキルだろう。
「んー、スキルはこんなところかな……」
あとはレベルを上げてと。
まずはキリがいいところで20まで上げてしまうか。
《基礎レベルが20に達しましたソウルパーチャスに【神器解放】が追加されます》
んー?
これは一体なんだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます