15.神器解放

本日も2話更新予定だコラー

もう一話は18~19時前後予定だオラ~

(寝過ごしたらごめんなさい

**********


「神器解放? なんだこれは?」


「フートさん、なにかありましたか?」


「レベル20になった途端、神器解放って項目が現れた……」


「ああ、それ私もだよ」


「私は20に届かなかったんですよね……」


 どうやらアヤネのほうでも表示されているらしい。

 だが神器とはなんだ?


「【鑑定+】によればこうなるわね」


【鑑定結果:神器解放】

 ソウルパーチャスにおいて神器を解放するスキル。

 解放された神器は決して破壊されず、破壊されても修復する。

 また、所持者が望めばその手元や装備状態になることができる。

<詳細内容>

 召喚された神器は初期状態では非常に弱い。

 召喚者同様ソウルを得て育てることが必須である。

 なお、ソウルは所有者から吸収するのではなく、新たに敵を倒したときに吸収する。

 さらに強力な魔物の魔石を吸収することでも成長することができる。


 ふむ……これは、わかりやすいようなわかりにくいような。

 隣のミキは目を輝かせているが。


「……どうした。ミキはほしいのか?」


「もちろん、とてもほしいです! 神器、オンリーワンな専用装備ですよ! ここで燃えなくてどうするんですか!」


「アヤネー、ミキが帰ってこないんだが……」


「ミキちゃんって男の子っぽいところがあるのよね。まあ、自分専用の装備を作るスキルだと思えばいいわ。自分と一緒に育っていく装備としてね」


 うーむ、わからん。

 なぜレベル20なんて早いタイミングで、このような最終的には強力装備を手に入れる機会を与えるんだ?

 他のここにいない仲間も同じようなものなのか?

 それとも俺たちだけが特別扱いなのか?

 いつまでもぐるぐると思考の沼にハマってしまいそうだ。


「それですよ。アヤネさん、召喚ってできないんですか?」


「残念ながらね。レベル20に達したあとさらに2万ソウル必要だったの。そんなソウル余ってなかったわ」


「うー、それじゃあ、フートさんはどうなんですか?」


「俺か? 俺は……」


 ソウルの残量を確認してみる。


「うん、ギリギリ2万ソウルあるな」


「じゃあ!」


「でも、いざというときに残しておかなくても平気か?」


「フートさん、今回覚えたスキルを教えてください」


「え、えーと、【雷精霊魔法レベル7】、【回復魔法レベル7】、【身体強化レベル7】、【魔力上昇レベル5】、【魔法発動高速化レベル5】、【魔力回復速度増加レベル5】、【魔法威力安定レベル5】、【火精霊魔法レベル5】、【風精霊魔法レベル5】、【土精霊魔法レベル5】、【ソウルポイント1.5倍化】、【テイムレベル6】、かな」


「想像以上にたくさん覚えてましたね。私は【身体強化レベル7】と【腕力強化5】、【ソウルポイント1.5倍化】だけでしたのに」


「それだけなのにレベル20に届かなかったのか?」


「うーん、あと1,000ソウルほど足りませんでしたね。先に装備の修理はすませてありますので問題はないのですが」


 そういえば、二人は装備を破壊されていたんだったか。

 そっちの経費がなければレベル20になれていたのかもな。


「というか、フート。あんた、それだけ覚えてまだなにかある気がしてるの?」


「いざっていうときの備えは必要だろう?」


「アンタの場合、気を回しすぎよ。それだけいろいろ覚えて、まだ足りないなら私たちがフォローするしかないわ」


「そんなものか?」


「そんなものよ。それに私たちも神器っていうのを見てみたいし」


 本音は見てみたいというところなんだろうな。

 今日はこれ以上ソウルの消耗もないだろうし、いっちょ覚悟を決めて覚えてしまうか。


 それでは【神器解放】を取得っと。


 すると目の前が一瞬光り、光が消え去るとそこには箱と杖が用意されていた。


「フートさん! 【神器解放】を使うなら前もって教えてくださいよ!」


「そうねぇ。いきなりだと心臓に悪いわね」


「それがわかっただけ儲けものだろう」


「それもそうね。それじゃあ、新しい衣装のお披露目といきましょう」


 俺が入手したのはいわゆる魔術師用のハーフローブと杖。

 ハーフローブは夜の星空のような文様が浮かび上がっているし、杖も夜の闇のように黒い。

 さてそんな装備に着替えて、二人のところに戻れば。


「おお、思ったよりも似合ってるじゃない」


「そうですね。黒いローブとか陰険そうに見えそうですけど、金や銀の刺繍のおかげでまったくそんなことは感じさせませんね」


「それで、フート。装備効果のほうは?」


「いままで身につけていた装備より悪い。いままでの装備から特殊効果を取った感じ」


「フートの装備は特殊効果メインだったけど、私たちの装備は攻撃力や防御力メインだからね」


「変えたときは苦労しそうですね」


「まあ、フォローはするよ」


「そうしてもらえるかしら。……さて、そろそろあたりが真っ暗になってきたし、もう寝ましょう。明かりの魔導具だって魔石を消耗するんだからね」

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