5.レベルの確認

「レベル?」


「フートさんって本当にゲーム用語に詳しくないんですね……」


「ミキでも説明しなくてもなんとかなったのにね」


「ほっとけ」


 ゲームをしなくなったのって高校生くらいからだったか。

 ……あれ、なんでゲームとかをやめたんだ?

 普通は大なり小なりある程度触れると思うんだが……。


「レベルっていうのはね、いまの強さのことよ」


「ステータス画面を開けば見れますよ」


「ちなみに、私とミキはどっちもレベル10だったわ」


「確認していないのは俺だけか」


 さて、それじゃあステータス画面を開いて……って、レベル1じゃないか!

 どうやってレベルを上げるんだ……ああ、下にあるレベルアップボタンを押せばいいのか。

 二人が10だって言うから足を引っ張らない程度までは上げたいよな。


 そんなわけでレベルを上げた結果、レベル9までは上がった。

 残っていたソウルポイントをすべて使ってしまったけど……。


「俺のレベルは9だった」


「大分間があったのが気になるけど、まあいいわ。『オープンステータス』っていうことで、他人にもステータスが見えるようになるからそれをやってもらえる? ああ、スキルは見えないから安心してね」


「フートさんよろしくお願いします」


「ああ、わかった。オープンステータス」


 すると、俺のステータスが空中に表示された。

 ちなみに、現時点でのステータスはこんな感じだ。


――――――


 名前:フート

 種族:ハイエルフ


 Lv:9

 HP:51

 MP:132


 筋力 :8

 体力 :10

 素早さ:17

 賢さ :67

 器用さ:54

 魔力 :84

 幸運 :65

 

――――――


「フートさん、魔法系統のステータス、高いですね」


「本当ね。魔法系統だけなら私たちより全然上よ」


「代わりに筋力も体力もないけどな」


 魔法系統が高いのはハイエルフっていう上位種のおかげだろう。

 多分、普通のエルフだとここまで高くないんじゃないかな。


「筋力はわかりますが、体力ってなんでしょうね?」


「えーと……防御力や持久力に関わる値らしいぞ」


「ふーん、つまり、フートは紙装甲の火力砲台ってことね」


「……まあ、そうなるな」


 アヤネめ、痛いところを。


「大丈夫ですよ! 私とアヤネさんで敵の攻撃は食い止めますから、その隙にフートさんが魔法で仕留めてください!」


「ま、その辺が無難よね」


「そうなるかな」


 俺ははっきり言って動き回りながら敵を倒せるタイプじゃない。

 誰かに身を守ってもらいながらじゃないと、かなり厳しかったな。

 そういう意味でも、二人が一緒に来てくれたことは感謝だ。


 ……ん、でも……?


「なあ、なんで二人は俺と一緒に行動することにしたんだ? 女子のグループもあったよな?」


「ああ、それね」


「ええと、あるにはあったんですが……」


 なんとなく歯切れが悪い。

 聞かない方がよかったかな?


「答えにくいことなら答えなくてもいいぞ?」


「答えにくいわけじゃないのよ。なんというか、女子のグループってギスギスしててね」


「スキルの優劣でマウントの取り合いをしていたといいますか……そんな感じです」


「ともかく協力関係になれそうになかったから、早々に抜け出したのよ」


「それで、最初は二人だけで行動しようかって話もしていたんですが、フートさんがひとりでいるのを見て誘ってみようかなと」


「そうしたら私たちに足りない魔法系ビルドで大当たりだったってわけよ」


 なるほど、いつの時代も女性って仲間内でギスギスするものなのかな……。


「だけど、俺だって男だぞ? 襲われたらどうするんだ?」


「私たち、ガチガチの近接戦闘ビルドよ? 襲われたって力尽くでねじ伏せるわ」


「ええと……そういう打算もあったわけでして。ごめんなさい、フートさん」


「まあ、襲うつもりなんて微塵もないからいいんだが」


 こっちから襲うつもりはないんだよなぁ……。

 逆はわからないけど。


「でも、二人とも獣人を選んで大丈夫だったのか? 発情期があるみたいなんだが?」


「は? 発情期? そんなの知らないわよ?」


「発情期ってあれですか? その……そういうことが我慢できなくなる?」


「ああ、それ。そういうのがあるから俺はすぐに獣人を選択対象から外したんだが……」


「そんなの聞いてないわよ!?」


「だろうなぁ。【鑑定+】先生の詳細内容でしかわからなかったし」


「……アヤネさんどうしよう?」


「……フートがこの状況で嘘をつくとも思えないけど……とりあえず、人里に行って情報収集よ!」


 まあ、それがいいだろうな。

 実際、発情期にあたる期間が何月くらいなのかとか、いま何月なのかとかわからんし。

 それに発情期って言ってもどの程度かもわからんし。


 ……って、この気配。


「二人とも、戦闘準備を」


「え?」


「気配察知に反応があった。灰色の森側からこっち三匹ほど迫ってきているぞ」



***************


~あとがきのあとがき~


参考程度にフート以外のステータスも公開


――――――


 名前:アヤネ

 種族:獣人(犬獣人)


 Lv:10

 HP:157

 MP:28


 筋力 :53

 体力 :60

 素早さ:42

 賢さ :22

 器用さ:21

 魔力 :12

 幸運 :40

 

――――――


――――――


 名前:ミキ

 種族:獣人(虎獣人)


 Lv:10

 HP:102

 MP:37


 筋力 :67

 体力 :35

 素早さ:48

 賢さ :25

 器用さ:33

 魔力 :13

 幸運 :56

 

――――――


――――――


 名前:フート

 種族:ハイエルフ


 Lv:9

 HP:51

 MP:132


 筋力 :8

 体力 :10

 素早さ:17

 賢さ :67

 器用さ:54

 魔力 :84

 幸運 :65

 

――――――


フートの紙装甲ェ……

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