第5話 女子高生をお持ち帰り……してしまった。ACT 5

一歩、彼女の足がゆっくりと動き、片足が三和土に中に踏み入れられた。

彼女の両足が三和土の中に揃うと同時にドアを閉め、カチッとロックされた音がする。


「上がりなよ」


軽く頷き靴を脱ぎ、律義にきっちりと脱いだ黒ローファを揃えた。

「おいで」と、彼女を居間の方に呼び込んだ。


こくんと頷き「お邪魔します」と、一言彼女の口から発せられた。

ゆっくりとした足取りだった。

ようやく居間に彼女の歩みが達し、目に映るその部屋を眺め、彼女は一言

「広いね」と言った。


広いね……それもそうだろう、元々二人で暮らす予定で契約したマンションだった。それが男一人で暮らすはめになっちまったんだから。


「適当に座っていいよ」ダイニングテーブルに買って来た袋を置き、彼女にくつろぐように促した。


「う、うん。ありがとうございます」


背負っていたキャラ熊のリュックを降ろし、クッションソファーに腰を落とした。


「うわぁ――――。し、しずむぅうううう!」

「あははは、それスゲー埋まるんだよ。びっくりしただろ」


「う、うん」びっくりしたような、そんでもって恥ずかしがっているその表情がスゲー可愛い。と、沈んでいる彼女の姿を目にしながら、足が上にせり出しているその姿を何となく見つめている。ひざ丈ストッキングのその先に見える。

これは言っとくが、ソファーが柔らかすぎて彼女の腰が沈み……股が大開き状態でスカートがめくりあがっている状態を、言いたのだが。


結果、シマシマあ、ここはストライプ柄と言うべきだろう。そのパンツが丸見えという状況であることに、未だ彼女は気が付いていない。


思わず見入りそうになる自分が怖い。たかがパンツがみえたくらいで、これほどドキドキするものなのか。


これから俺と彼女は、この程度の事以上の行為をしようとしているのに。


俺は彼女のそんな姿を見て見ぬふりを演じ。

「オムライスで良かったかなぁ。いま温めるね」と、この風景がもう少し続くことを期待していたが、ようやく自分のパンツが丸見えだって言う事に気が付いたんだろう。広がっていた股をぴっちりと閉め、めくりあがったスカートを直し始めた。


恥ずかしそうに、その恥ずかしさをごまかすかの如く

「あ、大丈夫です。済みません」と言いながら、もそもそとソファーから身体を逃した。


コンビニ弁当の便利さは、温めるだけで即座にありつけることだ。

今は腹が満たされればいい。特別弁当に期待感がある訳でもなく、腹が満たされれば次の行動に移れることに気持ちが先走る。


チンとレンジの音が鳴る。次に俺の分のパスタをレンジの温め機能でスイッチを入れた。

「おーい温まったぞ。こっち来いよ」テーブルに温めたオムライスと、スプーンを置き彼女を呼んだ。


その声にはっとしたように視線をこっちに向け「はい」と返事をする。

彼女が椅子に座ると同時にグラスにジュースを注いで

「お先にどうぞ」と食するように促す。


ジーッと目の前のオムライスを見つめ「ゴクリ」と喉をの鳴らすのが聞こえた。

すぐにパッケージのフイルムを剥がそうとしたが手を止め「いただきます」と、ペコリと頭を下げた。

親の躾がいいんだろうな。礼儀正しく、きっちりとしているとこが要所にうかがえる。


「あ、そうだブレザー脱いだらどうだ。寒いか」


「ううん」と彼女は首を横に振り、ブレザーを脱ぎ、差し出す俺の手に渡した。


その時だ、ブレザーの胸ポケットからぽとりと定期の様なものが落ちた。

それを拾い、手にしたものを目にするとそれは学生証だった。

自ずとその学生証を見てしまう。



百合白ゆりしろ学園高等部3年。野木崎美愛のぎざきみあ


正真正銘の女子高生である証を、この目で見てしまった。




それを承知の上で……。



これから俺は、人に知られたらいけない罪を……この子に犯す。


ただ俺の望む快楽と、このたまりにたまり切った欲望という下半身の性の処理として。

見るからにいたいけない少女。

女子高生であるがゆえにその姿は幼さを植え付け、その衣服の中に潜ませている肌を想像してしまうと。食欲よりも性欲の方が先に餌食を欲しがっているのが己のこの体の中で欲しているのがよくわかりえる。


「あの何か?」


彼女を凝視? そんなに怖い顔をしてみていたのか?

沈むクッションの中に体をさらに埋めさせてまるで自分の身を守る様な感じで俺の顔を見つめていた。


なんでそんな顔で俺を見つめる。


お前だってその気があるから来たんだろ。それに自分はこういうことを目的に、対価をうるためにあのサイトにもプロフを乗せていたんだろ。

だったら……。

だったらそんな顔で俺を見つめるなよ。

俺は獣だ! 野獣だ!

これからこの子を食らうんだから。


その反面本当にいのか。 こんなことをして。

こういうことは人道に恥じる行為ではないのか?


時たま顔を出す俺の理性。

その時に横にぼんやりと浮かび上がるかおりの面影。

それも彼奴が絶頂を迎えている時のあの表情だ。


俺はただ単にこの子を香りの代替えとして抱くだけなんだ。

香、それのどこがいけないというんだ。

お前は俺を捨てたんだから。

俺は捨てられたんだから。


ほっこりと湯が立つ彼女の前におかれたオムライス。


ごくりと彼女の喉が鳴る。

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