10
招かれるままに覆いかぶさると、仰向けに俺と向き合った女は組んでいた腕を解いて広げた。重力に引かれてなお弾けるように天を向く豊かなふくらみが薄絹一枚隔てた目の前にある。
ここに顔を埋めて何時間も意識を失ってたんだよな俺は。なんてもったいないことをしたんだろう。
片手を伸ばして脇から掬いあげるようにてのひらで触れる。布越しにもずっしりとした柔らかな手ごたえ。指に力を加えると柔らかく沈み込みながらも押し返してくる力強さがあった。くそ、なんて反抗的なおっぱいなんだ。この世の女にはみんなこんなものがついているのか。
「なにをチマチマとやっておる、
そう言って彼女は片手でふくらみを包む薄絹の端を摘まんでみせた。
俺はただその仕草を凝視して生唾を飲み込む。
とはいえ上から入れるか下から入れるか。いわゆるそれが問題だ。
いや、心のなかで言ってみたものの上から手を入れるのは腕の構造的にポジションを変えないとやりにくいし俺にそんな心の余裕はない。なので自然と下から攻めることになり、俺は脇腹を這い上がるように指を進めた。
目的のものへ指先が触れると気後れしてしまい一瞬手が止まったが、意を決して指を滑らせる。
女の肌はしっとりと冷たく滑らかで、柔らかさと弾力の両立するそれはまさに指に吸い付いてくるという表現がぴったりだった。力をいれるとその全てが大きく形を変えて俺のてのひらへ食いつくかのように包み込む。それでいて決してやられてばかりではなく隙あらば押し返してくる。
まさに生命の神秘、未知の存在。俺はその優しく包容力のあるそして力強い感触を無心に貪った。
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