第2章3話 魔獣戦線

 親友が通り魔をもとい殺し屋をねじ伏せ、異世界やら調停者やら言い出したと思えばだだっ広い平原で飢えた獣の群れのど真ん中に放り出された。どんな状況だよ。

「運が悪いってレベルじゃないよね……」


「お前調停者ってやつならこのくらいどうにかできたりしない……?」


「異世界へのワープって結構大技なんだよ?能力使えないからこの数はきつい」

 一縷の望みに縋ってみるが、祐希の答えはつれない。


「だから」

「だから?」


「逃げるしかない——!」

「このポンコツ調停者……っ!」

 とはいえ、全方位を囲まれているこの状況で、どうやって逃げるのか。無論潤に策はない。全力で祐希に縋る構え。


「突破ならいけるっ!」

 言い切った祐希は、俺を脇に抱えて一気に駆け出す。人間1人抱えていることを微塵も感じさせない、陸上選手並みのスピードで身軽に走る。


 ……祐希が襲いかかる魔獣を引っ掴んで別の魔獣に投げつけた気がしたけど、それはともかく男の子的にプライドがヤバい。どうしよう。


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祐希におんぶに抱っこの潤。今後の活躍に乞うご期待!無双させるつもりはないけど!とことんいじめ……試練を与えるつもりだけど!けど活躍するんじゃないかな!きっと!たぶん!そうだったらいいなと思ってる!

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