第19話 インペリア海域掃討戦

          アルティゼル(エクス首相)


秘書「首相!ローグから電報が入っています!インペリア包囲戦を開始する、民主国家連盟はファザー・シーよりインペリアに攻撃を仕掛けて、マザー・シーのローグ軍と挟撃をしかければ勝利は疑いない!以上です」

アルティゼル「・・・、一体何様のつもりだ、三流国の分際で・・・、アカシック級をローグに侵攻させよ、準備が出来次第ならず者国家であるローグを植民地とする・・・、アカシックを陽動とし、本部隊を2つに分け北極海を経由して北からインペリアに侵攻する部隊を本隊とし、北からインペリア首都エクセリオンを強襲する」



          アッシマー(ローラン首相)


伝令「以上がローグからの電報となります」

アッシマ「・・・」

早いな、その決断の速さだけは評価してやってもいい、だが無謀だ。ローランの価値基準は一つだけ、ローランの利益になるかどうかだ。ミサイル兵器が使用不能だといってもインペリアの原潜をどうする・・・、東大陸の土を踏む前に全滅だ・・・といってローグに攻撃するのもカネの無駄だ。

アッシマ「無視しろ、その電報が届いたという記録も無くせ、ローランは平和憲法を持つ国家である、平和的解決を第一とする」





              クン・ハ


ローラン領海


伝令「ローランに動きありません」

クン「この期に及んでまだ静観を決め込むか、ここまで腑抜けになっているとは、見るに耐えない、可能な限りローランの船を沈めつつ、全速力でインペリアに侵攻!」




              ユージェニー


オペレータ「潜水艦が次々と交戦に入りました、非常に小型の魚雷型潜水艦です、おそらくSaintの無人機です」

ユージェニー「エクスの動きはどうだ」

オペレータ「エクスの主力潜水艦アカシックと第一海軍はローグへ向かって動いています」

ユージェニー「相変わらず下衆なクズだな(アルティゼル)レイヴンハートは、空になったローグをもらうというわけか、民主国家連盟になっても何も変わらぬ、根絶やしにしておくべきだった。浅はかすぎる、もはやローグという島国を支配したところで何の意味もない。

 潜水艦部隊は負けるだろう、本土決戦となる、サイクロイド(CyCloyd)に使用許可を出す、準備を急げ」

オペレータ「サイクロイド?」

ミネルヴァ「あなたが知らなくても無理もないわ、もうあんたたちはお役御免ってわけよ、そこの席を変わってくれるかしら、ここからはDARC(D.A.R.C  Defence Arts Reserch Center インペリア軍事技術研究機関)が作戦指揮を引き継ぐわ」

今まで奥の席に座っていた、赤髪のまとめ髪をして、細いメガネをかけた女性がたちあがった。何を隠そうワシの孫なのだ、クードリオン家の獅子の赤髪を色濃く引き継いでいる。ワシの子孫の中で一番優秀な子だ。クードリオン家を引き継ぐのは間違いなく彼女になるだろう。

オペレータ「えっ?」

ユージェニー「言うとおりにしろ」

ミネルヴァ「まったく素晴らしいわね、Saintの兵器は、この対潜水艦リモート魚雷、魚雷というよりは機雷ね、とってもシンプルでデザイン性の欠片もない、安上がりで質より量の、最悪の兵器ね。「マグロ」とでも名付けようかしら。こんなのが海にうようよ漂い始めたら、海がすべて地雷原になってしまうわ。

 それよりもこのランジェ・システム、美しい・・・人間を地べたに這いつくばらせる天使の輪、見てるだけでゾクゾクしちゃうわ。核兵器が不可能にした戦争をもう一度人類に取り戻させる、戦争を可能にするための兵器。確かにこれは人類を救うための兵器、天使の恩寵ね。

 抜け殻になっていた老人たちが新たに命を吹き込まれたみたいに生き生きしだしたもの、お祖父様?楽しそうね?」

ユージェニー「オマエに言われたくないの」

ミネルヴァ「ふふふ、こういう時のための、DARCですもの。さすがSaint社、エンターテイメント会社だけあって、何が人を喜ばせるのかを知ってるわね、ワタシ達は、人間を銃で撃ちたい、それくらいしか願いがない、いつも何か人間を撃っても良い理由を探してる、アル中が酒を飲む理由を探すようにね、人間は人間を殺したい、それが遺伝子に刻まれた欲求、それが満たせないとおかしくなってしまうわ・・・




                ユミ


ユミ「よっしゃあ4隻め、もうノーティラスは残ってないよ、リベレーションの救援に出ようか?」

カナビス「はやっ!?どうなってんだよ、もう4っつも倒したのか?」

エレノア「ユミはGEARを4つ同時に動かしてるんですよ」

ユミ「カナビス君、バトルロイヤル系のゲームをやるときは、一度に一人で何人もログインして戦うダブルエントリーが常識なんよ、狙撃のアングルを確保するためにね、十字砲火こそ銃撃戦の基本なり」

イズナ「ずるっ・・・それ麻雀とかでもやってんでしょ」

ユミ「ぴ~ぴぴぴ~(口笛)」

カナビス「だからって同時に何機も操作出来るのか?ゲーヲタキモいぜ」

エレノア「ちなみにリベレーションも片がつきました、ローグの艦隊も防衛戦を突破したようです。残りは一般ユーザにまかせても大丈夫です。次は地上戦ですけど時間があるので休憩に入ってください」

ユミ「あぁ!やっと地上戦じゃん!やっぱ手で殴らなきゃ楽しくねーぜ!スペシャルカスタムを出してね」

カナビス「同感だ、やっぱぶん殴るのが簡単でわかりやすいぜ」

イズナ「じゃあワタシは出発しなきゃ」

エレノア「イズナさんは対インペリア作戦ではなくてローランの治安維持支援に行ってください」

イズナ「なんでよ!?」

エレノア「知りません、命令です。ローラン出身だから地の利がわかってるからじゃないですか?」

イズナ「ガッデェム!!そうやってこれからずっと前線から外されるんじゃないでしょうね!」

エレノア「ボクに言われても知りません、レムの考えですから」

イズナ「・・・」

 おぉ、怒ってる怒ってる。イズナさんは怒ると黙るタイプのようだ。でも普通に考えれば当然よな、ぶっちゃけた話、イズナさんそんな強くないし、生身だから死んだらそこで終わりだし、最前線に出す利点なんて何も無いもの。さて甘いもの食って寝るか・・・

 ガイストから出るとカナビスと目があった。

ユミ「・・・別にいいよ、一緒にお風呂入る?」

カナビス「そうだな、スッキリしとくか」


 

 カナビスはベッドにもぐりこんでワタシの口を塞いだ、クソが、こいつ変態野郎だったのか?

ユミ「むぐぅっ!このっへん!」

 背中をサラサラとなぞる、なんなんその愛撫の仕方?ヴェインランド独特のプレイスタイルなのだろうか?気持ち悪い、しかししつこい?何よ??・・・なるほど、ようやっとなにか文字を描いてると気づいた。

 

だ・ま・れ


なにが黙れだこの変態野郎め、意味わからん。


TR  4、7、9、11、12


TR・・・?Traitor(裏切り者?)

数字は、もちろんOrderの番号だろう。

4レーゼ、7ソアラ、9イズナ、11シャンブルズ、12エレノア・・・?


 ほぼ全部やないか?それはもはや裏切りじゃないじゃん、方針転換だ。でもこの組織はレムの絶対王政、部下全員で王を暗殺しようというわけか・・・


き・を・つ・け・ろ


気をつけろったって・・・。なるほどね、トレーサーはワタシ達の見た映像や音を全部記録してる、真っ暗な中で肌に文字を描いて情報を伝えるのはそういうわけか。ヒトのセックスを全部見てやろうとは思わないものね、AVだってスキップして見るものだ。それはわかったけども、どうしろって言うねん、ワタシにそいつら全員暗殺しろとでも言うのか?オマエがやれ。


 その後は普通にセックスした、するんかい。

まぁそうしないと怪しいものね、インポの疑いがかかる・・・。


 でもまぢでいらない宿題押し付けられたものだ。ワタシは別に世界革命になんか興味ないし、レムに忠義立てする必要もなにもない、マーセナリー、所詮傭兵。ワタシの目的はソアラに会うこと、ソアラの正体がエクセなら、エクセの味方のフリをしたほうが良さそうな気がする。裏切り者達もまずはエクセを狙うだろう。

 偽ソアラではエクセは倒せない、他の人たちが束になってかかってもエクセは倒せないだろう。エクセの振る舞いも裏切りに気づいてるんじゃなかろうか?あの人スキがなさ過ぎるもの。なんにせよエクセの正体を掴むことが必要みたいだ・・・


 


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