第18話 インペリア侵攻

               ユミ



ユミ「うわ~すっごいね、あれが天使システムか・・・、まじでミライって感じやな」

ソアラさんはまたどっかに行ってしまったので、ワタシ達はソアラさんの部屋から空を観察しに来た、ぶっちゃけこの部屋めっちゃ気に入った、留守の間は使わしてもらおう。

 天使システムの巨大な光の輪が空に浮かんでいる、これがいろんな都市の上空に浮かんでるのか・・・景色が一変しただろうな。物理的景色が一変したってことがものすごいでかいと思う、どこにいても天使の輪が目に入る、どんなに保守的な人間だって、何かが変わってしまったと気づくだろう。

 目で見たものしか信じないってやつはたくさんいる、逆を言えば、視覚さえ誤魔化せば、たいていのことは騙せるってことだ。


イズナ「そうやね~、あんなすっごいのあるならワタシ達いるの?って感じだけど」

ユミ「確かに、それよりもアレ一番びっくりしなかったですかS-OSっていう落書き、あれSaintのストリートアートだったんだ、まぢでアレいろんなところによーく見たわ」

イズナ「結構前から準備されてたってことだ」

カナビス「あれ、先客がいるな」

カナビスが入ってきた、なんとなく、ワタシ、イズナさん、カナビスのこの3人はまともな人間グループを形成してる。全然まともではないけれど、他のOrderよりはマシ・・なハズ。

カナビス「なんか暇だとセックスしたくなるな、ユミセックスしようぜ」

はい前言撤回、こいつもやっぱりサイコグループだ

ユミ「なにをいきなり!もっと順序ってもんがあるでしょ?まずコーヒーしばきにいくとかせい」

カナビス「古ぃな、ローランはまだそんな感じなのか?頭かてぇな、もっとリベラルなやつだと思ってた」

ユミ「なんだ・・・と・・・、ワタシがセックスごときでビビるシャバシャバのシャバゾウだと言ってるのか?」

イズナ「いやいや、わけわかんない挑発に乗るなよ」

レーゼ「ここにいたのね、休暇は終わりよ、ローグがインペリアへの侵攻を開始した、でもこのままだと全部インペリアの潜水艦の餌食になっちゃうから援護しなきゃね、カナビス、そんなに溜まってるならお姉さんが手伝ってあげようかしら♥」

カナビス「いやオレロリコンだからおばさんには興味ないっすわ、またローグの手伝いかよ、潜水GEARめんどくせーなぁ」

レーゼさんの顔がヒクヒクと動いた、あいつ死ぬ気か?毒殺されるぞ。ヴェインランド恐るべし、新人類だわ・・・。

 カナビスはただの不良の兄ちゃんに見えるけども、ヴェインランドでは死神と恐れられるギャングの若きボスだったらしい、ワタシも死神仲間だ。なんでもすぐに死神って名前をつけたがるんだな大衆ってやつは。




                クン・ハ


クン「空軍を解散し、すべて陸海軍に再編せよ、全軍をもってインペリア侵攻作戦を開始する、型落ちの潜水艦を含めて潜水艦部隊に戦力を集中する。

 インペリア以外のすべての国にホットラインによる電報で、インペリア包囲戦への参加を要請する、完璧よりも速度を重視しろ!インペリアの潜水艦防衛線を超えられなければ全滅だ。

 一兵も残さず全軍で進撃する、民間人には他国からの侵略に備えて自衛するように伝えろ、武器庫も開放する、我が国家の浮沈この一戦にかかっている!」

副官「・・・」

クン「どうした、どうせまた文句を言うつもりだろう、何を言っても止まるつもりはない」

副官「いえ、ワタシは総司令を誤解していたのかもしれません、ワタシのほうこそ耄碌して時代認識を誤っていたようです、もはや何も言いますまい、一兵卒として!最前線へ配置していただきたい!」

クン「よきかな!オマエに一番槍の名誉を与える、潜水艇虎王で出撃せよ」

副官「了解しました!」

伝令兵「第一次潜水艦部隊出撃準備整いました」

クン「オレも出る」


 司令潜水艦「龍虎」に乗り込むと、全員の目が血走っていた、そうだ、これでいい。生きた人間の目だ。我々は虎の子孫だ、いつまでも眠っていてはダメになる、眠ったまま死んでしまう。

クン「他の国家の動きはどうだ?」

伝令「何も返事ありません!」

クン「だろうな・・・、ローラン経由でインペリアへ向かう、協力するつもりが無いようなら、全部沈めていけ」



               ユミ


 カナビスが言ってたように潜水ギアはまぢで面倒だ。潜水ギアなんて言ってるけども、実際にはこれはリモートの人間魚雷以外の何者でもない。

 海の中は動きが遅い、いままでエミュレータの400%のターボを使っていたのに実機のスピードに戻されたような気分。かといって、水中ってのはこっちもすっとろいし緊急回避とかも出来ないからちゃんと集中してないといけない。やたら神経を使う面倒な作業なのだ。


エレノア「インペリアの主力原潜、リベレーション、ノーティラス、ローエングリン、アトランティス、を航行不能にするのがミッションです。撃沈しないでください、原子炉から放射能が漏れますし、沈んだら引き上げるのはクソ面倒なことになります、スクリューだけ破壊するようにしてください」」

ユミ「簡単に言うけど、全部最新鋭の原潜じゃないか、あっちのほうが速いし、命中させるだけでもむずいってのによ」

エレノア「一般人部隊、エクセ、ソアラも全員で参加します、ユミはノーティラスを担当してもらいます」

イズナ「総力戦じゃん、ちぇっ、さすがに潜水艦は無人機じゃないと無理よな」

当たり前だ、こんな人間魚雷にまじで人間が乗り込むのなんて、キXXXだけだ。昔ローランはガチンコの人間魚雷を開発してたけど、昔のローランはアタオカだったようだ、実際に使われることはなかったようだけれど。

 ワタシのターゲットはノーティラス級?最新鋭艦であるリベレーションはエクセとソアラが担当ってわけかい、ちょっとムカっときた。一軍を外されただと?このワタシが?やってやんよ、ノーティラスぐらい何隻でも潰してやる





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