第4話 祭りの少年たち
「やべぇ……間違える所だった」
そう言って苦笑するツンツン頭の少年。
すると横にいた耳にピアスをつけた愛嬌のある少年が笑った。
「お前、太刀がこんな感じで動いてたぞ(笑)」
ピアスをつけた少年がわざわざ身振り手振りを交えていった。
「上手く誤魔化せて良かった」
「しっかりしろよ」
そう言って笑う少年。
すると、最後に残った少年がシャンガを外した。
中から出てきたのは褐色肌に銀髪の少年だった。
明らかに日本人離れした場違いな髪と肌をした少年は嬉しそうに言った。
「はぁ~疲れた。飲み物が欲しい♪」
少年がそう言うと、どこからともなく同じ古屋形町の人が小脇に抱えていた樽を持ってくる。
「飲むか?」
「京堂さん。それ酒ですよね?」
大人の持ってきた手持ち樽を見て苦笑するツンツン頭の少年。
だが、持ってきた人は笑って言った。
「大丈夫。これは未成年用に水入れてきたから」
「じゃあ大丈夫だね♪」
そう言って褐色肌の少年がぐびぐびと口をつけて飲んだ。
「ぷはっ♪ 水だね」
「そう水だ♪」
うんうん頷く樽の人。
するとピアスをつけた少年も言った。
「俺もください♪」
「良いぞ♪」
ぐびぐび……
先ほどの少年よりもぐびぐびと飲む少年。
同じようにプハっと息を吐いて嬉しそうに言った。
「水ですね♪」
「当たり前だろ♪」
うんうんうなづくピアスの少年。
最後にツンツン頭の少年が疑わし気に言った。
「俺にもください」
「良いぞ」
ぐびぐびぐび……
誰よりも多く飲んでぷはっと口を放し、ツンツン頭の少年はうんうん頷いてから言った。
「うん。これ水じゃなくてさ……」
バンッ!
両脇に居たピアスの少年と褐色肌の少年が同時にその口をふさぐ。
「「水ですね♪」」
「水だぞ!」
そう言ってうんうんうなづく三人。
すると他の所から声が上がった。
「おーい! 誰か酒持っとる?」
「こっちやー♪ 今行くぞー♪」
そう言って持っていた樽をそのままそっちへ持っていく樽の人。
それを見て苦笑するツンツン頭の少年。
「水じゃなかったのか?」
「何言ってんだ水だろ?」
さも当たり前のように答えるピアスの少年。
だが、ツンツン頭の少年は答える。
「いや、明らかに辻褄が合わんだろ? どうして俺らが飲んだ樽を酒って言いながら持ってくんだよ?」
「漫画とか小説には作者のミスで辻褄が合わんことが多いだろ? お前はゆで〇まご先生に喧嘩を売るつもりか?」
「無茶苦茶だな」
ピアスの少年の乱暴な理屈に苦笑するツンツン頭の少年。
その様子を見て褐色肌の少年は笑った。
「祭りだねぇ♪」
満面の笑みで笑う褐色の少年にクスリと笑うツンツン頭の少年。
視線の先では酒のコールが始まった。
「「「飲んで飲んで飲んで飲んで♪」」」
「おっ♪ 始まったぞ♪」
ピアスを着けた少年がそっちへと向かう。
それを見た褐色の少年が笑う。
「未成年なのにお酒飲もうとするなんていけないんだぁ♪」
「さっきあれ飲んでた奴が言うことか?」
そう言って笑うツンツン頭の少年はふっと笑って聞いた。
「千年前の祭りはどうだ?」
「千年後と変わらず楽しい♪」
少年は満面の笑みを浮かべて言った。
さて、これはどんな意味だろうか?
※作者の描写力不足で未成年が飲酒しているように見えますが、彼らが飲んでいるのは水です♪
この宝満祭りでは未成年が酒を持つと水に変わるという奇跡が毎年起きているので全く問題有りません。
決して酒ではありませんので、あらかじめご了承ください♪
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