作者様によって別に書かれた、この小説の解説文が、小説家志望者には非常に参考になります。解説文と小説を合わせて、お楽しみください。
かつてお坊ちゃまと呼ばれた少年に仕えていた老女の述懐という形で進むこの物語は、老女の若かりし頃の思い出として、少年の純真さ無邪気さが繰り返し語られております。 少年の言動には若干の翳りやあやしい部分もあるにはあるのですが……その姿と同じく、彼は清らかで悪意とは無縁の存在だったと、信じたくなります。
昔がたり風に展開していきますが、とても臨場感があります。前後編ですが、文章にボリュームがあるので、web小説に慣れている人は、戸惑うかもしれません。でも、下手な行間を入れないからこそ、作品の重みが伝わってきます。ある種、ヒロインの能天気さと男の子たちの青にがい対比が、とても良いです。