矛盾なき戦い
『ふむふむ、
『私も、服、脱ぎたい』
正直に言って暑い。それに、呼吸する空気も熱い。
うぅー。なんか、【
闇マーサが持っていた2メートルを超える大盾は、ヨミが
もちろん、捨てられた大盾はヨミの足に
そして、
全身を黒に
結果、
マーサちゃんが設定した12歳とは思えないほどの長身の身に黒のパレオと白銀のビキニを
ちなみに、私はアバターの身長を弄ったけど、マーサちゃんは自分が成長した姿を見てアバターを設定したみたい。
……私の身長からの
『【アイシクル・ランス】』『圧縮』
応急処置として作り出した氷を
きもちぃ〜♪
『それに装備を外しても、下着や裸になんてならないで布製の上下一式なんだから……温泉のアレは特殊な例よね…?』
ヨミの現状の状態を例えるなら、死(に)体に近い。
身体の
ガシャンッッ
(
手元に呼び
斧が白いのは【破壊不能】の【神斧パラシュ】がヨミから流れる熱を受けたからで、直前に放った自称・最終奥義【終雷】の激しい反動に手に残る感覚が残るはずもなく、武器を持つことさえできない状況になっていた。
『例えるなら、
体温40℃超えでコンビニへ風邪薬を買いに出かけたら曲がり角から来た10トン・トラックを受け止めたって感じかな』
あれは、死ぬ。(※実体験か、定かではない)
『っと、ととと、そんなことより……マーサちゃんの
ーーー【-Raily-】は漫画でよく見る強敵の
アバターから流出する感情値、ヘイト、レベル差からのプレッシャー、
うっ、説明書なんて見てないよ?
そのオーラの変化を自身の感性やスキル【危機感知】によって
『うーん、素手でいいや』
ちなみに、
現在進行系でマーサちゃんの圧力=存在力は増えていく……イベントで最終形態になった双竜を超えていると思うんだけど。
この状態の彼女に対して武器を使わないで戦うのは決して
【神斧パラシュ】は背中に
『あっ、未成年お酒禁止!!』
『メッ、だよ!』
マーサちゃんが空間に出来た穴から次々に流れる液体をグビグビと飲んでる。
一見して、水に見えるけど……
だって、
それ、お酒くさいんだもん!
高堂家では食卓に酒は並ばない。
ヨミは、父親の
ーーーなぜなら、
その後に起きた事件によって母親の
『教育的指導だよっ!』
『【鬼火】』
【鬼族】が使える初級魔法【鬼火】は、MPが溶けたお酒を飲むことによって強化され、ヨミ
『【天翼】』
4枚の光の翼で小さな身体を包み
『【朝焼け《サンライズ》】』
『!』
正面から火の玉を突破したヨミに、今度は横から
『【
脱着式の鎖を
ーーーって遠心力で結局、炎の鉄球が向かって来るしぃ!?
ーーー【氷界】!
『っっ〜〜〜!?!?!?(泣)』
ヨミの
だが、吹き飛ばすつもりだった鉄球がいつまでも足裏に吸い付くと衝撃だけが
それは、闇マーサが【硬化】の派生スキル【固化】によって伸びた鎖を固めたことによる、一体化した鉄球と鎖がハンマーとなったからであった。
『こしゃく〜!
『フッ』
『あ、笑った♪ーーーっ、』
鉄球+鎖のハンマーを戻す時に息を
マーサちゃんのステータスを【攻撃】に極振りするスキル『【デストロイ】』か!
『【
この動きは…、デンプシーロール…!
『あははは!
いいね!
私の身体はボロボロなのに対して、マーサちゃんは鎧を脱いで軽くなっている。
戦闘Aiは物理的にヨミを倒せると判断するには条件が充分なため、合理的な判断であった。
『ふふふ』
お互いにステップを踏む。
格闘技では
ーーーそれに、マーサちゃんはクラン内で私の次に高いVR適正がある。
現在、小学生のちびっ子マーサちゃんとは思えないくらい、ゲーム内アバターの成長した身体を見れば分かることだけどね。
私でも身長差が1・2センチ
『勝率は半々?…以下?』
『まっ、私が勝つけど、ねっ!【神激】!』
私はスキルアシストに身体を
ステータスには変化がないから、急加速でマーサちゃんとの距離を一気に
ガンッ!
『人間を殴った感覚じゃないや♪』
ヴモ゙ォォォ!!!
『!?』
牛!?
うわっ、マーサちゃんにエリザベスがいることを忘れてた。やっぱり、熱で頭が回ってない。こんな状態だと【神回避】は……なら、【空気投げ】!!!
『
『うぉおおあああああ!?』
これ、は、【パンツァー】かっ!
どんな
ショルダーチャージ(サッカー)である。いや、電車道(相撲)だ。
くっ、ぐんぐんHPが減っていくっ。
『な、にく、そぉおいぃや!』
ヨミは【光翼】の光る翼を大きく広げる。
4枚の翼の空気抵抗を利用して両足を地面から離し、巴投げの
バク転で態勢を立て直した私は翼を一気に羽ばたくと、ロケットのようにマーサちゃんのお腹へと突っ込み、ホールド!
空中でさらに縦に半回転すると同時に背中に回り込んで、釘のように地面へと突き落とす!
『天空パイルドライバー!!!(プロレス)』
硬い地面に
………………
…………
……
ガンッ!
ガンッ!
ガンッ!
『あはははは!ほんとに硬い!』
音は一方的。拳がヒットしているのはヨミだけ。
ーーーマーサちゃんは腕だけで、あの攻撃を受け止めた。
勝利を確信した私が少しだけ油断した時、力ずくで
蹴りのダメージは、HPがレッドゲージまで減って【被ダメージ増加】が加わっていた私の蘇生枠を使わせるのに充分だった。
息を吸って、流される身体にブレーキをかけ、息を吐いて、ヨミが発狂した。
私の拳に
感情を持つ、人との純粋な殴り合いが
『ゥゴオオオオォ…ォォ』
ふん!
『よし、死んだ♪』
マーサちゃんとの間に割り込んできたお
ヨミは、足場がだいぶん
武器が壊された時の青のエフェクトが舞うが、ヨミの狂気が
自身の強力な一撃により
『楽しい楽しい殴り合いだぁ!』
消えていく巨大な牛・エリザベスから放出した青のエフェクトに赤いダメージエフェクトが混ざっていく。
避けて、流して、
スキルでマーサちゃんの防御力が、いくら固くても私の攻撃力には
『なら、しこたま殴ればいい!』
堕天使のHPは映らないのでヨミは知らないが、闇マーサは既にHPを1だけ残す【不夜城】を発動していた。
つまり、闇マーサのHPは自然回復していた分しかない。
………………
…………
……
……約1分と少しの戦闘時間は、あまりにも少ないが、ヨミには長く濃密に感じた戦いであった。
『たのしかったぁ』
人との殴り合いが成立すること
『どうせなら殴られてもみたかったなぁー』
『次に会った時に、マーサちゃんへ決闘を
『うん。そうしよう』
ーーー戦いの中でヨミの身体は熱が冷めてきたが、デイリークエストを消費していたマーサには訳の分からないの
………………
…………
……
『
ヨミの目の前には、2つのウィドウが浮いており、最初に手に入れた【
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