凍えるほどにあなたをください
李都
凍えるほどにあなたをください
窓の外を見る。
しんしんと降る雪は、どうやら明け方まで続くらしい。
明日は人生の岐路といっても過言ではない。そんな試験が待っている。
緊張が大雪への心配に変わっていった時、ふいに隣の席の会話が耳に入った。
「お前、明日の志望校ってK大ってほんとか?!」
「試験結果次第だけどね、行けたら行きたいと思ってるよ。」
待ってくれ、そんなのは聞いてない。前に聞いた時はE大を志望してるって言っていたじゃないか。
密かに想いを寄せる君と、キャンパスライフを過ごすために、この雪の中毎日足を濡らしながら塾に通っていたんだ。なのに、そんなことがあってたまるか。
違う高校に通う君との接点は、この塾しかなかった。あまり話したことはなかったが、最近席が近いことから挨拶を交わすようになり、徐々に仲良くなってきたと思っていたのに。
同じ大学に入れたら気持ちを伝えようと思っていた計画が崩れ、心はもう氷のように冷たい。
せめて凍ってしまうのなら、凍えるほどにあなたをください。
凍えるほどにあなたをください 李都 @0401rito
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