はみだしミニーチェ『畜群』

 ニーチェの言う畜群とは、既存の価値観に疑うこと無く従う人間のことを指す。


 そもそもニーチェの時代、19世紀のヨーロッパではキリスト教カトリックの教えが道徳の規範となっていた。


 ニーチェはそれに激しく反発する。


 その教えからもたらされる善き行為そのものを解体し、なぜそれが善いこととされるのか、それを善いこととすることで何が起こるのか、を徹底して追求した。



 人間、自分が労力を割いてクリアした問題を、何も考えずにスルーしている人たちを見ると許せないということがある。


 それにニーチェは基本的に他人の意見に逆張りして、すぐに見下すという友だちになりたくない性格をした人物である。


 ニーチェにしてみれば、ちょっと考えればわかることなのに、考えもせずに愚かにしたがってる馬鹿なお前たちという悪口を言いたかったのだろう。


 非常に子供じみているが、「なんでわかんないんだよ! こんな簡単なのに!」としつこく本を書いたりしている辺り、なかなか可愛らしくもある。



 この物語を読んでる人の中にも、ニーチェについて真面目に学んだが故に「こんなフザケタこと書いて、ニーチェのことなにもわかってない! バカ! 俺のほうが賢い!」と言いたいニーチェみたいな人もいるのでしょうね。



 ちなみに、物語に出てくる『畜群』は、ゾンビみたいな印象として書いております。

 あくまで創作上の描写なので、真に受けると恥をかきます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る