あの夏の日にまた会う僕と君

青いバック

第1話


僕は普通の人なら家から出ないくらいに暑い中を歩いている。


今日は一年に一回に会う約束をしている少女と会う日だ。

僕と少女は、夏のある日にだけ帰って来れるその時に必ず会おうと約束をしているのだ。

それが今日なのだ。


僕は約束の公園に着き、彼女の姿を探す。

少し探すと、ブランコが動く音が聞こえたので、そちらに向かって歩くとブランコをこぐ彼女の姿があった。


彼女は、僕を見つけ手を振ってくる。

僕も彼女に向かって振り返す。


「好きだなブランコ」


「へへ君も乗る?」


「疲れたから座らせてもらうよ」


ブランコに座り君と他愛もない話をする。


「今日はどこに行こうか?せっかく帰ってきたんだし街にでも行く?」


「いいけど、何をするんだ?」


「観光?」


「まあ、いいか行こう」


そう君に言い僕と君は駅に向かって歩き出し、電車に乗る。


電車に揺れること約15分電車内のアナウンスが流れる。


「次は南ヶ丘南ヶ丘」


目的地に着いた僕と君は電車を降り改札を通る。


「いやあ!いつもここは広いねえ!さあどこ行こうか?」


君のその大きな声にも誰も反応はしない。


「あそこ行ってみるか?715なんか変わったらしいぞ」


「へえ!そうなんだ!じゃあそこに決定!」


行き先を決め、そこに向かって歩き出す。


「それにしても今日はみんな汗かいてるねえ暑いのかな?」


「そうなんじゃないか?」


君と周りの人の話をしながらちょっとだけ変わった街並みを見て回った。


「わあ。いつ来ても大きいねえここは」


715を指さしながら君は言う。


「確かに大きいなここは」


実際715はこの街のシンボルと言っても過言では無いほどにデカくて立派な建物だ。

その証拠に色々な人が行き交う街の社交場的な場所だ。


「中に入ろうか?何が変わった早く見たいしね」


「そうだな早く見に行こう」


一通り君と715を回る。


「あっ!ここだ!!ここだよ変わったの」


君が指さしてる場所は、前アイス屋だった場所だ今は服屋になってるらしい。


「服屋になっちゃったらしいねここのアイス屋さん美味しかったのにね?」


「あぁ、確かに残念だ僕もここのアイスは好きだったのにな」


「あっ!ねえ!もうこんな時間だよまだ見て回りたかったのに」


君が時計を指差す。

時間を見てみると16時30分だったいつの間にこんな時間になっていたのだろうか?そんな時間は経ってないと思っていたのに。


「しょうがない今日は帰ろうまた今度来よう。今度来た時にまた何かが変わってるかもしれないから楽しみにしておこう」


「それもそうだね今日は帰ろっか」


そういい君とまた駅に向かって歩き出す。


「いやあ君と居ると時間があっという間だよ」


「何故なんだろうなお前と居るのが楽しすぎるのが原因だと思う」


「君ってなんでそんなちょっと恥ずかしいことを平然と言えるの?」


「え?そうなのか?気にしたこともなかった」


「ふふ、君らしいね」


そんな話をしてたら駅に着いてた。

電車に乗り15分揺られ電車から降りて、歩き公園に着くと、僕達はブランコに座る。

ブランコに座る僕達を公園の街灯が照らしている。


「そろそろ君ともお別れだね?」


「大丈夫また1年後会えるさ」


「君は1年も待てるの?強いね私はそうはいかない」


「一年待つのはきついがまた会った時嬉しいから、何とか我慢できる」


「ほんとに強いね君は」


実際僕は強くなんかはないさっき言った言葉も偽りの虚勢だ。


「あ、そろそろ日が暮れる行かなきゃまた1年後」


「あぁ、また一年後」


そういい僕達の影は消えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あの夏の日にまた会う僕と君 青いバック @aoibakku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る