調理実習



(落語調でお読みください、、、   *:JK高木さんです)



今日の午前中、女子は調理実習授業です。お題はカレーライス。4人1組で1グループです。高木さんは山田さん、川崎さん、もう1名とグループになりました。BBA先生が指導します。


「お米とカットしてきた野菜はありますね。では、お肉とサラダ油を配ります。用意ができたら、始めてください」 BBA先生が説明します。


「今日の材料で5皿分できますからね。余った1皿はグループで話して、どなたかにお昼に食べて貰ってください」


「「「「はーい」」」」


ここは高木さんのグループです。


*「じゃあ、始めますか。」高木さんが切り出しました。


「「「やりますか」」」


*「まずは私と佐藤さんでカレー、山田さんと川崎さんでご飯、で良い?」


「「「良いよー」」」 


*「まあ、どっちも4人で手伝いながら交代でやろうよ」


「「「うん」」」


という事で始まりました。カレー班は材料を炒めます。ご飯班はお米を洗います。


*「えーと、具材が炒まったら水を加える、と。550ml (2, 3/4カップ)か。これくらいね。でも、余りを天然イケメン先生に食べて欲しいけど、サッカー部のエースにも食べて欲しいから、お水足しちゃえ、えい!」


高木さんは、お鍋にコップ1杯分の水を追加しました。


「私、代わるよ」佐藤さんです。


「うーん、天然イケメン先生は決まりだけど、野球部のエースにも食べて欲しいし、、、えい!」


佐藤さんも、コップ1杯のお水をじゃー、っと注ぎます。


「今度は、私たちがカレーやるよ」山田さんと川崎さんです。


「天然イケメン先生は決まりだけど、バスケのエースにも食べて欲しいし、、」


「私は、バレー部のエース!」顔を見合わせた二人は、『うん!』と頷き、お水をじゃー、じゃー、とコップ2杯、注ぎました。


*「じゃあ、ルー、入れるね」 高木さんが代わって、調理を進めます。


*「良くかき混ぜてっと、、、あれ? 全然、とろっとしないんだけど?」


「「「え、どれどれ?」」」


皆でカレーを取り囲み、ぐるぐる、ぐるぐる、かき混ぜますが、他のグループのように全くとろっとしません。


「「「「えー!」」」」  状況に驚いた4人は、実は私、水をコップ1杯足しちゃった、えー、私もよ、私もだよと衝撃の告白をします。


「「「「そうなんだー、、、」」」」  覆水盆に返らず、とも言いますが、ここは逆。入れ過ぎた水はもう、どうしようもありません。


*「とろみが無さ過ぎて、これじゃあスープカレーとも言えないよね、、、カレー汁だよね、、、」


でも出来ちゃったものは仕方ない。高木さんは塩で適度に味を整えて完成としました。


*「さてと、だれが天然イケメン先生に持ってく?」


「「「高木さん!お願いします!」」」


*「えー、、、仕方ないなー」という事で、高木さんは2人分を持って出動しました。まずは職員室です。


*「天然イケメン先生、調理実習で作りました。食べて下さい!」


「何、これ?」


*「カレーです、、、」


「もうカレーライス、他のグループの子から頂いたんだけどなー」


*「ほら、それはカレーライスじゃないですか。これはカレー汁ですよ。主食にスープがあったほうが良いですよね!」


「まあ、そうだけど、、、カレーライスにカレー汁ね、、、うーん」


*「じゃあ、お願いします!」高木さんは無理やり、カレー汁を置いて、その場を去りました。


*『あと1つかー、、クラスにだれかいないかなー。あ、ご陰キャがいた!彼なら大丈夫だろー』


高木さんはご陰キャに目標を定めました。


*「へい、お待ち!カレーセットです!」


「すみません、頼んでません、、、」


*「そう言わずに食べて下さいよ、旦那! 今日は特別、タダですから!」


「といっても、お腹のキャパってものがありますからねー」


*「そう言わずに。お願い!ね、ね!」


「仕方ありませんねー。ところで、この汁っぽいカレー、何なんですか?」


*「これねー、今日の調理実、、、ん、、、、これはですね、私の郷里のカレー汁です!」



(お後が宜しいようで、、、)

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