ご陰キャに相談


(落語調でお読みください、、、   *:ご陰キャです)



 保健室でのやり取りで、自分が不治の病と勘違いしている非リア充君は、クラスに帰ってからご陰キャと話すのでした。



「ご陰キャ、ただいま戻りました」


*「ああ、非リア充君か。具合が悪いみたいな事言ってたけど、大丈夫かい?」


「大丈夫なんですけど、大丈夫じゃありません、、」


*「何言ってんの?どっちなんだい?」


「まあ、いろいろありまして。今は元気です」


*「ああ、元気におなりかい。それは良かった」


「良くありませんよ!」


*「そうなのかい?それはもっと保健室に居たかった、という事?」


「それもあります」


*「まあ、あんたの魂胆なんか見え見えだからねー」


「そうなんですか?ご陰キャ、どういう目であっしを見てるんで?」


*「この目だけどね」


「そりゃそうでしょ。まさか、手のひらなんかに目があったらびっくりですよ!」


*「私はそんな異星生物なんか、飼ってませんよ」


「ですよね!もし、そんなだったらおっかなくて迂闊にご陰キャに相談なんかできませんよ!ご陰キャの怒りを買ったら輪切りにされちゃう!」


*「大丈夫ですよ。もしそうだったら、あんたなんかとっくの昔にしゃぶしゃぶ用の薄切り肉になってますよ」


「えー、そうなんですか?」


*「無自覚っていうのは恐ろしいねー」


「いやいや、しゃぶしゃぶ用の薄切り肉にされる方がよっぽど恐ろしいです」


*「大丈夫さ。頭の方からスライスすれば自分の薄切り肉を見ることは無いじゃないか」


「そっか。ご陰キャ、その時はそれでお願いします。」


*「じゃ、そういう事で」


「そうじゃなくて! ご陰キャには長らくお世話になりました」


*「どうしたんだい?まさか、保健室でとんでもない事でもしちまったんかい?」


「いえいえ!あっしにツンデレ美人先生にどうこうする勇気なんざ、ございません、、」


*「大暴れしたとか?」


「無いですよ。あっし、そんな暴れん坊じゃない事、ご陰キャは良くご存じでしょ!」


*「そうだよねー。じゃあ、一体、何があったんだい?」


「言えません、今は言えません、、」


*「そうなのかい?まあ、私もあえて詮索するような野暮じゃないからね」


「短い高校生活でしたけど、良い思い出になりました」


*「え、非リア充君、退学するの?」


「いえいえ、そうか、まだ決まった訳じゃないし、、、」


*「なんか、ご家庭の事情でもあるの?」


「そうじゃないんですけどね、、」


*「複雑な事情のようだね。辛かったらいつでも相談しなさいよ。話は聞きますからね」


「ありがとうございます、ご陰キャ。あっしに何が起こっても驚かないで下さい」


*「何ですか、世間様をお騒がせするような事でもするんですか?」


「まさか、そんな事は無いですよ。」


*「宇宙人に連れていかれる?」


「そんな訳ないでしょ!でも、戻れるもんなら厨二に戻りたいです、、、」





(お後が宜しいようで、、、)



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