湖の逆襲
「こりゃすげぇな……」
小林景文は何度目かわからない感嘆の声を上げた。
最初はプレジャーボートだった。地元の木島湖に浮かんでいるプレジャーボートのスクリューにびっしりと海苔が絡みついていた。
機械工である景文はそれから次々と「木島湖で海苔に絡みついて動かなくなった機械類」に遭遇した。
そして今日、地元で一番大きな工場の取水口からびっしりと海苔が絡みついているところに呼ばれた。工場の方でも対処しているそうだが、手に負えなくなっているという。
木島湖は淡水湖である。海苔など繁殖するような環境ではない。
だが、今では橋にも岸壁にも海苔がびっしりと張り付き、腐って悪臭を発している。
原因はこの工場かな、と景文は思った。工場の排水、生活排水、ポイ捨てエトセトラを受けてきた湖がついに反逆に出たのだ、と。
《お題:反逆の湖 必須要素:海苔 制限時間:15分》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます