まごうことなくフニャフニャ
「これがフニャフニャだー!」
そう言って彼女が取り出したそれは、フニャフニャとしか言いようがなかった。
材質は紙、いやプラスチックかこれ?どうやっても真っ直ぐに立つことなく、へにょんと折れ曲がってしまう。折り目をつけようとしてもへにゃあと潰れてしまう。
たしか、彼女がこれを持ってきたきっかけは、この間道に置かれたカラーコーンがへたっていたのを「フニャフニャになってる」と言ったからだ。
なるほど、あのカラーコーンはべったりと焼けたアスファルトに崩れ落ちていたが、あくまでもプラスチックのコーンだった。彼女の言う真なるフニャフニャは、もはや材質などという些細な問題からは解脱している。
ただ変なにおいがする。彼女曰く、フニャフニャにするのに使った薬品の臭いだという。
「鉄でもフニャフニャにできるよ」
それってスゲーやばい薬品なんじゃないか?俺は彼女が渡してきたフニャフニャを指でつまんで持った。
《お題:フニャフニャの天才 必須要素:変なにおい 制限時間:30分》
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