第三回「新日本時代小説大賞」
えー、第三回「新日本時代小説大賞」の発表をいたします。
まず初めにこの賞は、まぁ、いわゆる時代劇ですな、その時代劇小説の衰退を嘆くということで、新時代の時代小説作家を発掘する目的で創設されたわけでありますが。
えー、今回、受賞なしという形で。あー、静粛に、静粛に願います。
えー、理由を述べますと、いや、最終選考に残った作品の内容をあげたほうがいいでしょうか。
「裏切りの里」これは、悪政に苦しめられる村人たちが決起を企てるものの、村人の中に潜んでいた忍者によって情報が洩れ、領主によって殺され処刑されていくという内容ですな。「士官商売」は幕府に召し上げられた浪人が、罪なき町民たちの殺害に駆り出されて心を病むも、阿片漬けにされて心をなくした殺戮人形にされる話。「市中の平穏」は実は忍者であった大岡越前が分身の術で町民を見張り、不穏分子とみるや殺していく話……。
まったくもってお寒いとしか言えません。
いいですか、時代小説は単に登場人物にちょんまげをつけておけば良いものではないのです。
こんなの、単なる現代の世相ではないですか!
我々はこんなことで官憲に目を付けられたくは(話者射殺さる)
《お題:寒い小説家たち 必須要素:ちょんまげ 制限時間:15分》
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