ラブホ女子会はゴングで終わる

「ふえ?」

 気づいたらボクシングのリングに立っていた。

 ボクシングリング、といってもつくりはちゃっちい。正方形の頂点の位置に棒を立てて、何本かのロープで囲んだってだけのものだ。そのロープにひっかかって立っている。足元はフカフカして、マットレスか何かだろうか。

「気が付きました?センパイ?」

 ボクシンググローブをつけた後輩が聞いてきた。

 最後の記憶ではこの後輩とお酒を飲んでいた。ラブホテルの女子会プランで、飲み放題だと痛飲したのが不味かったらしい。

「ここって、ひょっとしてあのラブホテルの別の部屋?」

「お、察しがいいですね。センパイを運ぶのは大変でしたよ」

 後輩は柔道家なんかをやっていてかなり大柄だ。酔いつぶれた自分を運ぶくらい簡単にできるだろう。

「まー、せっかくもう一部屋取ったんで……早速始めていきましょうか」

 そういうとステップを踏み……一気に距離を詰めてくる後輩

「ちょ……!」

プニ。

 慌てる自分のおなかを、後輩のグローブがやさしくつつく。続いてもう一度、プニプニ。

「えへへへ……」

 あー、こいつも酔ってるんだなぁ。


《お題:刹那のぷにぷに 必須要素:酒 制限時間:15分》

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