蛇の精

 むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが暮らしておりました。

 ある日、おじいさんは山へ薪を取りに行って道に迷い、帰れなくなってしまいました。

 おじいさんが途方に暮れて歩いていると、突如、美しい女性が一人現れて言いました。

「自分は蛇の精だ。あなたに詫びねばならぬことがある。償いとしてしてほしいことがあれば何でも言ってほしい」

「ならば、自分を家に帰してほしい」

「ならばこの宝玉を差し上げよう。家までの道を教えてくれる」

 蛇の精の言葉通り、宝玉はおじいさんを家まで連れ帰りました。

 おじいさんが喜んでおばあさんに帰宅を告げます。しかし、おばあさんは倒れて亡くなっていました。毒蛇にかまれてのことだそうです。


《お題:早い償い 必須要素:むかしむかし、あるところに 制限時間:15分》

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