騎士は姫君に連れられ

20の歳を迎えるとき、運命の姫君が貴方を迎えるでしょう。


 これが占い師による予言だった。

 それはとある旅の騎士に対してなされたものだった。騎士は思った。俺もこれで一国の主となるのか。

 それにふさわしい武功を上げんと、騎士は幾多の戦場を渡り歩いた。その名は各国に轟き、彼を迎え入れようとする国は多かった。だが、騎士は士官の口を断った。当然だろう、自分は未来の王なのだから。

 そして20の歳、騎士は戦場であえなく死んだ。


 騎士は知らなかったのだが、その土地の信仰では運命という神の娘は死を司る残忍な女神なのだ。


《制限時間15分・お題:運命の姫君》

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る