第31話 レッツジャンピング!
さて。お着替えも終了しました。
うーん。特にかわいさは求めてないので、普通な仕上がりです。
普通といっても、前世のスポーツファッションの標準なので、この世界では異端なのだが。
お子様方同様、上は襟付きポロシャツ。
カラーを分けて、私のは薄い紫色で作成してもらいました。
下は、足首までのタイツを着用し、紺色のキュロットにした。
ややミニスカっぽくて抵抗がないわけではないのですが、動きやすさ重視です。
タイツはいてるし、いいよね?
「ティアーナさまのも、また少し変わった衣装ですね。」
ラファエルは、また少し驚いた表情。
「とてもお似合いですわ!」
マルティアリスは、手を合わせてにこやかに褒めてくれた。
「ありがとうございます。動きやすさを追求したので、やはり着慣れない感じがしますね。
さて。着替えも済みましたので、お部屋へご案内いたしますね!」
「お外で遊ぶんじゃないの?」
「お部屋の中で動き回るのですか?」
ふっふっふ。
二人とも、今日は疑問だらけですね。
想像できないことばかりをやらかしている感がありますが、楽しいので許してください。
「そうなのです! 室内でも動き回れる、専用の部屋をご準備させていただきました!
リュシアス様にもご協力いただいて、大掛かりなものを準備したのですよ。
ご期待くださいね!」
「そうなんだ! 気になるね!!」
「どんなことをするのでしょう? 早く行きましょう!」
きらきら期待を膨らます笑顔がかわいいわ~。
そういう私もわくわくそわそわと落ち着きがないのですが。
「はい!! では行きましょう!!」
「「うん!!」」
*****
「この部屋です」
部屋の前でとまり、二人へ示す。
せっかくだから、二人にこのドアを開いてもらおう。
「では、お二人にドアを開けてみていただきましょうか。」
「「はーーい!」」
手を上げて元気にお返事ありがとうございます!
さぁ。カウントダウン開始しますよ!
「ノブに手をかけていただいて、カウントダウンしましょうか。」
「「うん!」」
観音開きになるドアを、各々ドアノブを掴んで準備する。
「「「5、4、3、2、1、オープン!」」」
ばんっ!!
「「…………………」」
あ、あれ?
反応なし????
思ってたんと違うんですが……。
「あ。あの? お二人とも?」
「……ぅううううわーーーーーっっ!! なにこれっ!!」
「すぅごーーーーいっっ!! なにあれっ?!」
興奮した様子で、叫びだしたお二人。
あ。感動しすぎて声でないやつだったのかな?
ふぅ。なんだかジェットコースター気分です。
急降下からの急上昇。あ、逆ジェットコースターか?
「ははは。反応がなくてびっくりしましたよ。
まずは、お二人が思うままに遊んできていただいて大丈夫ですよ。
感触を確かめながら、気を付けて遊んできてくださいね!」
「「はいっ!! いってきます!!!!」」
テンションマックスですね。
きゃっきゃっ、わーわー言いながら駆けていった。
ふふ。子供らしい反応が微笑ましい。
いや、でも同じように興奮して先に遊びまわった私も同じ……?
大人でも楽しいいんだもんっ!
いくつになっても、楽しいものは楽しいのだっ!!
リュシアスが用意してくれたのは、それはもうだだっ広い部屋だった。
まず扉を開けて目に入るのが、どかんっ!と置かれた巨大なエアー滑り台だ。
登り用の坂道には、ロッククライミングのような突起がついていて、手や足をつかいながら上まで登れるようになっている。
高さは2メートル、横幅は3メートルほどある。
滑り台の部分は、なだらかにするため高さにあわせて長いストロークになっている。
そのため全長としてはかなり長い滑り台だ。
ふむ。この巨大な建造物を見るだけでわくわくするよね!
登って、滑って、登って、滑ってのエンドレスループだ。
これだけではない。
奥には、長いマットが敷いてある。
厚みが30センチほどあり、これもエアクッションになっているものだ。
長さは25メートル、幅は5メートルほどで、競技用トラックのようになっている。
学校のプールのハーフサイズくらい? かなり大きい。
ただの運動用マットとはちがい、反発するのが特徴的。
マットなのだが、トランポリンのように飛ぶことができるのだ!
固さもしっかりあるのに、跳ねる。
不思議だが、めちゃめちゃ楽しい!
弾力によって足や関節に与える衝撃が最小限になるため、前世では遊具としてだけではなく体操教室や学校でも広く使われていたようだ。
さらに、おうち型のふわふわドーム。
屋根付きで、下がふわふわと盛り上がって飛び跳ねることができる。
さらにつなぎ廊下のようなものをつけてあり、もう一方にも同じようにおうち型のふわふわドーム。
さらにつながって……合計3つのおうちドームがつなぎ廊下でつながっている構造。
繋ぎ廊下には障害物もあって、それを避けながら中を走りまわることができる。
陣取り遊びをしても楽しいかもしれない。
隠れ家みたいにして過ごしてもいい。
昔、たまにショッピングモールに出現していた、ふわふわドームの遊具を見るたびにわくわくした。
毎回母親にせがんで、遊ばせてもらったものだ。
ぴょんぴょん飛んで浮かんで、体の自由が利かないことがなぜだかとても楽しかった。
なかなかに変わった遊具だが、子供心をがっちりつかんで離さないものがあるのだ。
エア遊具最強!
そんな前世と同じような遊具を作れちゃうなんて。
ほんと魔法道具最強!!
プチ室内テーマパーク完成です!
いっぱい遊ぶぞー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます