第12話 食卓を囲む
晩餐の時間になり、双子ちゃんたちに広々とした食堂へ案内され、用意された席に着く。
向かいに座る伯爵様が、にこやかに微笑みかけてくださる。
きらきらエフェクトが眩しすぎて、目がつぶれそうです。
「今日は一日過ごしてみて、いかがでしたか。」
「はい。ラファエルさまとマルティアリスさまにご案内いただいて、楽しく過ごさせていただきましたわ。ご配慮いただいてありがとうございました。」
「僕たちも楽しかったよ!」
「ティアーナさまは本当にお優しい方なのがわかりましたわ。」
「仲良く過ごせたようで何よりだね。これからよろしくお願いするよ。」
「はい。精一杯努めていきますね。」
「では、乾杯してお食事にしましょう。」
「はい」
「では。ティアーナ嬢との出会いに、乾杯。」
「「乾杯ー!」」
大人はシャンパンを、お子様方はオレンジジュースを持ち、一緒に乾杯する。
突発的な思い付きから発展した状況にもかかわらず、こんなにも歓迎されている様子をみてほっとする。
大人な対応をしてくれるお子様方にも感謝感謝だ。
それにしても……料理がおいしい!!
「とても美味しいお料理ですね。昼間にいただいたお菓子もとても味わい深かったので、伯爵家の料理人の腕は大層すばらしいものなのだろうと思っていたのです。晩餐の料理も予想以上においしくてびっくりしました。」
「お気に召していただけたようで、ほっとしたよ。
君が気に入ったのであれば、これからも食事を私たち家族と一緒にとってもらいたい。
どうだろうか。」
な?
なんですと?!
これからも? 一緒に食卓を囲む?
天使一家と一緒に??
「えっ。これからも一緒に……ですか?
伯爵家に雇い入れられた使用人の身分で、それはさすがに……。」
「雇用しているが、それと同時に君には謝罪の気持ちを示したい。
料理を気に入ってくれたようだし、私たちに出される料理はこの屋敷で最上のものだ。
私たち家族と話をしながら食事をすることも、仕事のひとつとしてもらいたいな。」
「僕たちも一緒にご飯食べたい!」
「ティアーナさまとおしゃべりしながら食事できれば、とても楽しそうですわ。」
お子様方がそう言ってくれるのなら……。
うーん。いいのかなぁ。
判断つかない。
「そう……ですね。
仕事の一環といわれるのであれば、お受けしないわけにはまいりませんが……。
本当に私がご一緒してもよろしいのでしょうか?」
「あぁ。もちろんだ。私一人よりも、子供たちの話を一緒に聞いていただけると、食卓も明るく楽しいものになるはずだ。ぜひともお願いするよ。」
「……そうですか。わかりました。では、ご一緒させていただきたいです。よろしくお願いします。」
「やったー」
「これからはさらに楽しい食事ができますわね。」
「そうだね。これからとても楽しみだ。」
さらに笑みを増す伯爵様。思わず頬が紅潮して、ほてってきた。
きらきらエフェクト3割増しですね!
イケメンの微笑みの効果は未知数です……。
それにしても。
何だろう。天使一家に囲われてしまったような……。
気のせい?
まぁ、最高の料理が食べられるのはとても魅力的だし。
伯爵様のお許しがいただけるのであれば、いいか。
美味しい料理は正義だ!
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